目次
骨壺とは
骨壺とは人や動物が亡くなった時に火葬した焼骨、もしくは土葬をした後に残る遺骨を入れる容器のことです。
骨壺の歴史
土葬の時代には遺体を土中に埋葬して土に還すために骨壺を使用することはありませんが、沖縄では洗骨という習慣があって洗骨を入れる容器としての骨壺があります。
火葬が済んだ焼骨を入れる容器としての骨壺は近年になって火葬が普及してからであり、それまでは火葬することがあっても甕を使うようなことはありました。
舎利容器としての骨壺
釈迦が涅槃に入ってからは弟子たちによって荼毘に付され、その遺骨は方々に分骨されて舎利と呼ばれて舎利容器に納められました。
舎利容器は礼拝の対象としての釈迦如来の遺物として人々から崇められています。
厨子甕としての骨壺
沖縄地方では古くから死者を崖下え洞窟の中に入れて風葬にする習慣があり、風葬後に死者の骨を酒や海水で洗って甕に入れることから、この骨壺のことを厨子甕(ずしがめ、ジーシガーミ)と言って、焼骨を入れる骨壺に対してかなり大きめの壷で、芸術的価値の高い壷を使用していました。
現在では火葬の普及に伴ってこのような壷はほとんど作られていません。
現代の骨壺の材質
現代の骨壺は陶器が主流であり、他には金属、木、石で出来た骨壺などがあります。
火葬後の焼骨がまだ熱い状態であることから、骨壺には耐熱性や不燃性が求められ、墓の納骨室(カロート)が湿度が高くて過酷な環境にあることから、更には耐久性が求められるので、そういった環境に適して陶器製が最も多く使われているのです。
骨壺のお祀りの仕方
亡き人の骨壺は火葬が済んで家に持ち帰ったら四十九日の祭壇でお祀りし、四十九日が済んだらお墓のある人は納骨して、お墓の無い人はそのまま祀り続けることになります。
四十九日の祭壇は葬儀社が準備してくれるものを使い、祭壇が無ければ腰より高い位置に写真や位牌などと一緒にお祀りします。
白木の位牌は四十九日までしか使いません…白木の位牌はどうする?
私は高野山真言宗やすらか庵の僧侶でもあります、仏事のことが分からない時には何でも聞いて下さい。
将来散骨を考えている方でしたら粉骨をしておけば遺骨が小さくなりますし、骨壺が大きい故の圧迫感から解放されます。
師自由九日の頃に散骨される方が多いです…四十九日と散骨供養
関東と関西では骨壺の大きさが違う
関東と関西では収骨の仕方に違いがあり、関東では7寸程度の骨壺に火葬後の焼骨を全部骨壺に納めるのに対して、関西では5寸或いはそれ以下の骨壺に焼骨の内、主要な部分のみを納めます。
関東と関西での骨壺の大きさの違いは、お墓の納骨室の大きさにも影響し、一般的に関東のお墓の納骨室は大きめなのに対して、関西のお墓のカロートは小さめに造ってあります。
知らない方が意外と多い…関東と関西では収骨の仕方が違う
骨壺の蓋の開け方
骨壺の蓋なんて蓋を取れば開くものと思っていたら意外と開けるのに苦労するものです。
もちろん上に引き上げるだけで開く蓋もありますが、仕組みを知らないと開けることが出来ないこととが多く、大体骨壺なんて簡単に開けて中を覗くようなものではありませんから、封印をするという意味合いもあると思います。
そしてお墓に入れた時に万一地震などで倒れた時にでもこぼれないようにとの配慮もあると思います。
ここに詳しく書いてあります…骨壺の蓋の開け方
骨壺の処分の仕方
墓じまいや散骨などで遺骨を取り出した骨壺は不燃ごみとして出して構いませんが、なるべく割ってから新聞紙に包むなどして出しましょう、その理由は
- そのままでは大きすぎます
- 遺骨を捨てたと思われるかもしれません
- 骨壺に名前が書いていたり彫ってありますので、誰が出したか分かります
- 他の人が見たら気持ち悪いと思います
安全で正しい骨壺の処分の仕方が詳しく書いてあります…骨壺と骨箱とカバーの処分の仕方