無縁仏とは
無縁仏とは、亡くなった人を弔う親族・縁者が無くなってしまった故人やお墓のことで、お墓の継承者がいないので、後に入る人も無く、また管理したりお墓参りをする人もいないお墓、またはお墓の中に納骨された遺骨のことです。
また身寄りの無い方が孤独死で亡くなって、誰も遺骨を引き取りに来ないような方も無縁仏になります。
無縁仏の理由
地方から都会に移り住んだ場合、家や土地は売ることがあってもお墓は簡単に整理して処分するということが出来ず、そのままにしていることがほとんどで、都会の生活が長くなるにつれ、だんだんと足が遠のいて、草木に覆われたりして荒れ果てたお墓が数多く見られます。
また都会で生活している人でも子供が無かったり、跡継ぎの人が離れて住んでいたりなどの理由で1代限りのお墓となり、無縁仏になったお墓が東京都内の主要霊園だけでも1割を超えると言われています。
無縁仏は、お参りする人がいなくなったお墓がそのまま放置されて荒れ果てている場合と、霊園などで無縁仏になったお墓の棹石だけを集めて無縁仏のコーナーを作って管理している場合があります。
無縁仏にならないうちに墓じまいを検討する必要があります。
激安散骨で無縁仏になる!
世の中が不景気になって、物を作っても売れないからと届け出不要の葬祭サービスに手を出す業者の多いこと、お金儲けの事しか考えていない業者に遺骨を渡せば遺骨の扱いも知らずに遺骨を捨てる散骨で無縁仏の出来上がり。
激安散骨業者の背景とは
人口の減少、少子高齢化、核家族化が進行し、社会全体が高齢化社会になってきますと、介護サービスと葬祭業が注目を浴びるようになってきます。
散骨や粉骨業は届け出制や許認可制では無いことから異業種からの転入や素人組の新規開業が目立ち、出遅れて開業した業者としては安い料金で仕事を取るべく収益を無視した激安合戦を繰り広げ、当然葬祭の心得など全く無しの遺骨処分サービスが世の中に蔓延しています。
そういう事情を知らずに依頼された亡き人は、家畜の飼料同様に粉砕されて無縁仏になり、また捨てられる散骨のせいで無縁仏になっています。
散骨の定義は「焼骨を粉骨して自然の中に散布すること」ですから、もちろん粉にして自然の中に撒けば違法ではありません、合法ですが、本来は葬儀全般に言える事として「葬送の目的を持って亡き人を送る儀式を伴う」ことが必要なのですが、そういった大切な事は一切無視して、如何にも「これが散骨ですよ~素晴らしいでしょ!」という映像を世の中にバラ撒いて形だけを整えていることを見抜かないといけません。
散骨や粉骨は葬送の儀であり、亡き人をあの世に送り出す儀式でありますから、少なくともそういうことが分かって、心得のある人にお任せしないと、せっかくお金を出して頼んでも無縁仏にしてしまっては元も子もありません。
激安散骨業者の基準
私共がNPOであってもある程度のお金を頂いているのは、国からの支援の無い分野での活動であるからです。
私が激安散骨と言っている金額的な基準は、船を出す代行散骨で2万円前後或いはそれ以下の金額です。
船を維持管理して遺骨を送ってもらうセットや送料を負担して粉骨して水溶性袋、花などを準備して船を出し、儀式を行って散骨するのにコストをカットしようと思ったら、船を出さずに岸壁から遺骨を撒いてしまえばよいのです。
そんなことをして無縁仏になるぐらいでしたらまだ救われるかもしれませんが、場合によってはとんでもない世界に行かされてしまいます。
無縁仏になったら
地方でよく見かける草木に覆われて荒れ果てたお墓は、横を通るたびに気の毒な思いをします。
また特に立派なお墓であった場合は、人間の世界の栄枯盛衰を感じます。
整備された都会の霊園では草木が覆い茂るようなことはありませんが、それでもお墓参りをする人が絶えてしまったお墓はすぐに分かります。
子孫繁栄を願って作られたお墓も、子孫がいなくなってしまっては、願いが叶わなかったことで、いっそう寂しさを感じます。
平成11年3月に改正された「墓地、埋葬等に関する法律」では、墓地の使用者が死亡、あるいは管理料未払いのまま3年間放置した場合、「無縁墳墓に関する権利を有する者に対し、1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、かつ無縁墳墓等の見易い場所に設置された立札に1年間掲示して公告し、その期間中にその申し出がなかった旨を記載した書面」を当該役所に提出すれば無縁墓地を整理することができるようになりました。
従来は、墓地使用者と死亡者の本籍地、住所地の市町村長に照会し、回答を得ること、また、2種以上の新聞に3回以上公告を出し、申し出がなければ処理することができるというシステムでしたので、その煩わしさを軽減するために簡略化されたのですが、その背景には無縁墓地の増加が深刻化してきた事実があるのです。
このようにして整理された無縁仏は、無縁仏として合祀されたり、供養塔に納められることになります。
年間管理費の滞納で無縁仏
公営、民間、寺院などの霊園を契約したら必ず年間管理料を毎年払うようになりますが、年間管理料とは霊園を維持管理していくための費用であり、年間管理料を払い続けている限りは契約したお墓を使い続けることが出来ます。
この年間管理料の収入で維持管理している霊園にとって、未払いや滞納があれば当然運営に支障が出る訳で、例えばお墓の使用人が亡くなって支払われなくなったりしますと、まずは本人宛に、そして縁故者の方に催促が来るのですが、それでも支払われなかったら無縁仏としての手続きが始まるのです。
無縁仏の悲劇
無縁仏は誰もお参りすることが無くなったお墓であり、年月の経過と共にある程度は仕方のないことでありますが、無縁仏になることは悪いことなのでしょうか?
そもそもお墓というものは、亡き人の魂が天から降りて来る依り代としての機能があり、お墓の石塔を目印として亡き人の魂が行き来するのですが、お参りしている人がいればその人との繋がりが保たれますが、誰もお参りする人がいなくなっても依り代としての機能はそのままなので、何時行っても誰も来ないという悲劇が起こるのです。
魂というものはそういった事ぐらいは分かるだろうとお思いでしょうが、子孫長久の願いとは、そうあって欲しいと願う気持ちであり、そういう思いに関しては、こちらから報告しない限り決して理解してもらえないものです。
そして先祖が無縁仏のままでは万一自分があの世に行くような時には、行きにくいことでしょうし、歓迎してもらえるかどうかも分かりません。
永代供養
永代供養と聞けば、永遠に供養してくれるものと思ってしまいます。
お盆やお彼岸には供養してくれて、参拝の方で賑わえば、いつまでも寂しいことはないでしょう。
しかしこの世の中に永遠に続くものは一つもありません、永代供養をお寺や霊園ににお願いする時は、永代供養の中身をちゃんと確かめてください。
もともと永代なんて決まりが無いものですから、例えばお寺の場合は、その住職が生きている間とか、30年間とか、故人を含めて3代までとか様々です。
明確な回答が無い場合もありますので、注意してください。
永代供養の期間が自分にとって納得できる期間であるかどうかは、最終的に自分で判断する問題です。
高額なお金を払って「自分は跡継ぎがないから永代供養にしてもらったので、安心」などと思っていても、実は期限のある内容だとしたら
・・・死んでしまってからは文句の言いようがありません。
理想的なお墓は自分の死後、子々孫々までお墓参りしてくれ、また自分の後に続いてそのお墓に入ってくれることでしょう。
これは大変にすばらしいことなのですが、少子化・核家族化の進む現代社会においては、ますます困難なことになっているのです。
ワラをもすがる思いで大金を出して買った永代供養の権利も、期限付き、お金で永遠は買えないのです。
いつかは無縁仏
歴史上に名前を残す人を除いて、私達は死んだらいつかはその名前も存在も完全に忘れ去られてしまいます。
また子々孫々まで同じ場所に暮らし続けることは、現代社会において大変に困難になってきました。
お墓を作ってもいつかは無縁仏になるのであれば、最初から合祀墓に入るか散骨を選択するのが無難な選択です。
今後は合祀墓の新しい形が出てくるものと思われます、そしてお墓のいらない散骨もごく普通の選択肢として広がっていくことでしょう。
無縁仏にならないことが理想ですが、しかしそれは限られた一部の人達となりつつあります。
しかし、やむを得ず無縁仏になるような場合は、高いお金を出して狭い場所に入るよりは、安いお金で広い世界に旅立ちましょう。
それが大自然の法則であり、生物としての自然の営みであり、宗教的にも魂の循環の中の一つの行程なのです。
無縁仏になってしまうことが予想される人は
- 子供がいない
- 子供がいても女の子ばかり
- 男の子がいるが、遠くに住んでいる
- 子供がお墓の価値を否定する
- 家族の宗教観が違う
- 子供の方が先に亡くなってしまった
- 跡継ぎがいるが、結婚する気がない
などです。このようなことに当てはまる人は無縁仏になってしまうことを真剣に考えなければいけません。
無縁仏になることが分かっていたら
自分の代で子孫が途切れ、無縁仏になることが分かっていたら、お墓のことをどうするか、真剣に考える必要があります。
自分が生きていて、まだ何とか出来るうちに手を打っておきましょう。
もうちょっと後で、というふうに考えていたら、結果としてどうにも出来なくなった時に、無念の気持ちを残すことになります。
個別のお墓という形にこだわるなら
他の人と一緒は嫌だ、個別の墓に入りたいという方には5万円の樹木葬がおすすめです。
契約金5万円を払えば30年間は自分のお墓として使え、30年後には自動的に合葬墓に移されます、納骨時に納骨料として1万円必要なだけで後の費用は一切かかりません。
他の方と一緒で構わない、寺院で供養して欲しいという方には
他の方と一緒で構わないが、寺院て゛供養して欲しいという方には合葬墓という方法があります。
合葬墓とは、いろんな人と一緒に一つの墓に入ることで、骨壺の単位ではなくて骨壺から遺骨を出して他の方と一緒に埋葬されます。
自分がいなくなっても、誰かが参ってくれるのですから、寂しい思いはしなくてもすむかもしれませんし、合同慰霊祭をしてくれる所もあります。
おすすめの合葬墓は…3万円の合葬墓
全く自由な人向けの海の散骨
人と同じ所に入るのが嫌でしたら、海の散骨が良いと思います、散骨することで大自然に還れて自由となり、お墓の心配をする必要がなくなります。
最後に儀式をして丁寧にお送りすれば決して無縁仏になることはありません。
海の代行散骨…東京湾委託(代行)散骨
リーズナブルなインターネット限定海の代行散骨…海に還る旅立ち代行散骨
全く自由な人向けの森の散骨
海が嫌いではないが森が好きな方、土に還りたいという潜在的な欲求がある方には森の散骨がおすすめです。
森の代行散骨…やすらかの森委託(代行)散骨
リーズナブルなインターネット限定森の代行散骨…大地に還る風の谷代行散骨
森の立会い散骨…やすらかの森即日散骨
散骨も広い意味で大自然のお墓だと考えれば、素晴らしいお墓です。
自宅や別荘に散骨
最近は自宅や別荘に散骨する人も増えてきました。
自宅での散骨は合法です、何も問題ありません。最も身近で自然な姿ではないでしょうか。
人は死んだら墓に入るものという固定観念は、今の時代には通用しなくなりつつあります。
意味のないお墓を作ってもお金と資源の無駄遣いになってしまってはいけません、散骨するにはお遺骨を粉末にする必要があります。
やすらか庵では立会いの手作業による粉骨も行っていますので、どうぞご利用ください。
墓じまいの仕方
散骨などの理由で墓じまいするにはまず、お墓を管理している寺院や霊園に撤去の旨を申し出て、書類上の手続きをする必要があります。
公営の霊園などは手続きはスムーズにいきやすいですが、寺院などでは管理料が入らなくなることを嫌って、無理な解約料を請求することがありますので、ご注意ください。
特に寺院の場合は墓じまいして散骨すると先祖が迷うなどと言われて暗礁に乗り上げる方がたくさんおられますので、散骨などの理由は持ち出さないことをおすすめいたします。
散骨は違法などと、とんでもない事を言う人もいますし、成仏出来ない、地獄に堕ちるなどと言われる事もあります。
話がこじれてしまわない内に、なるべく早くNPO法人やすらか庵にご相談ください。
ご相談は無料です…NPO法人やすらか庵無料相談
NPO法人やすらか庵での散骨を利用される方には、NPO法人やすらか庵でお遺骨を引き受け致しますという「受け入れ証明書」を発行いたしますので安心です。
書類上の手続きが済んだらお遺骨を取り出してからお墓の中を空にして、墓石を撤去し、更地にします。墓石の撤去などは石屋さんに頼みますが、お遺骨を取り出す時、墓石を撤去する時には、僧侶や神主などに拝み込みしてもらうことが必要になります。
拝み込みしていないと、石屋さんが仕事を受けてくけない時があります。
お墓からお遺骨を出したら
お墓に納骨していたお遺骨は、長い年月の間に壷の中で結露した水分がたまっていますので、蓋をしたまま横向きにして水抜きをしてください。
家に持ち帰る場合には、ビニル袋をかけてダンボール箱などに入れて持ち帰ります。
しばらくはお家に安置して故人様にゆっくりとしてもらうのもよいかと思います。
しかし汚れた骨壷に入った湿った状態のお遺骨を家に安置し続けることは、あまり気持ちの良いことではないと思います。
すぐに散骨する予定が無い場合には、お遺骨を乾燥して粉骨し、綺麗な容器に入れておけば気持ち的に安心できます。
墓じまいで困ったら
墓じまいするのに、法外な解約料や撤去料を請求されることもありますし、拒み続けられることがよくあります。
難しい理屈を並べて嫌がらせを受けることもあります。しかし、何も難しいことはありません。
火葬が済んで一度は家に持ち帰ったお遺骨をただ預けただけのことですから、要は預けたお遺骨を返してもらうだけのことなのです。
お遺骨は霊園のものでも寺院のものでもありません。
特に寺院では先祖の遺骨を人質に盗ったような感覚を持っていて、気に入らなければ許可を出さないという横柄な態度をとるような僧侶が居るものです。
お遺骨は本来はご遺族のものなのです。何か困ったことがありましたら、何でもご相談ください。
やすらか庵ではお墓の撤去、墓じまいから散骨、樹木葬、合葬墓までを一貫して承っております。
無縁仏の救い方
無縁仏はあの世に行くことも出来ず、この世で誰にも気付いてもらえず彷徨っていますが、もし亡き人を無縁仏にしてしまったらどうすれば良いのでしょうか。
実際の無縁仏
都立の霊園の職員の方と話をしますと、勤務中に実際に体験された話を聞くことが出来ますが、合葬墓の遺骨の納骨で地下に降りていったら、霊がよく出ると言っていました。
取り地の霊園の合葬墓は希望されて入った方もたくさんおられますが、意図せずに入れられた方や強制撤去で入れられた方などもたくさん居られるのです。
霊園の職員の方が見るのはそういった浮かばれない方の霊なのです。
お墓の無縁墓地に手を合わせるなと言われる理由
何処の墓地でも無縁になってしまって墓石を強制的に一か所にまとめられたり、竿石がビラミットのように積んである光景があるものですが、昔からこういう無縁墓地に手を合わせてはいけないと言われていますが、それは何故なのでしょうか。
その理由は無縁仏に手を合わせると、自分のために手を合わせてくれる優しい人がいるなんて、嬉しくて仕方ないから付いて来ると言うのです。
私達の世界にはこのようにして付いて来る霊や疫病神、貧乏神などがたくさんいますが、無縁仏に関しては悪気が無いのですが付いて来るのです。
これを自分で祓える人は良いのですが、どうも調子が悪くなる人も当然居られます。
とりあえずは何かを感じたら家に入る前に塩を振って、神道の言葉ですが「祓(はら)え給い、清め給え、神(かむ)ながら守り給い、幸(さきわ)え給え」を唱え続けてみて下さい。
これで楽になると思います。
無縁仏の救済をしている人の支援
無縁仏は私達の眼には見えない存在ですから、自分で何かしようとしてもどうにもなりませんが、身内の人が無縁仏になってしまったのでしたら供養するのが一番です、供え物を供えて手を合わせ、般若心経ぐらいの読経が出来れば上出来です。