人口の減少とは
我が国の総人口は平成20年(2008年)の1億2,808万人をピークに減少を続けています。人口が減っていくとどういう現象が起こるのでしょうか。
人口減少はもう始まっている
我が国の人口は戦後の経済復興を大きな原動力として国策としての「産めよ増やせよ」をスローガンとして戦争で減ってしまった人口を増やすこと、そして敗戦で荒廃した国土を復興するための経済の発展が重要な課題となりました。
国民一人一人のたゆまぬ努力によって経済は驚異的な発展を遂げ、都市部には工場やコンビナート、会社や企業が次々と生まれ、働けば働くほど生活が豊かになり、それに伴って西洋式の大型団地が次々と建設され、若い夫婦が入居してたくさんの子供の声が響き渡る活気のある街が至る所に見られたのです。
時代が昭和から平成になると国としても先進国として安定し、国民の生活も安定してくると、豊かさの基準が子だくさんの家族ではなくて、一人一人の価値観を優先し、ゆとりの時間を過ごすことに変わっていくと共に、結婚しない人や結婚しても子供を設けない夫婦が増えてきたこともあって、人口が減るようになってしまったのです。
人口減少の原因
人口が減少している原因としては結婚年齢が高くなっていることと、子供を産む数が少なくなっていることが主な要因です。
物質的にとても豊かになった現代では、結婚して家庭を持つという価値観よりも個人の自由な時間を大切にするという傾向が強くなり、結婚に対して価値観を見出せない人が増えています。
仕事に対しても一つの企業に生涯勤めるという形態よりも、自分のやりたいことが見つかれば迷わず転職するという自由な発想を持っていたり、そしてフリーターとして職務に束縛されることの無い人が増えているのは、ある意味豊かさの裏返しでもあり、昭和初期の敗戦からの貧乏生活に耐え、少しでも豊かになるようにと文句も言わずに働き通した人達には理解できないのです。
他に人口減少の原因としては
- 子育ての費用が捻出できない
- 夫婦共働きである
- 子供の面倒を見てくれる人が居ない
- 子育ての環境に不満がある
等の理由によります。
人口が減少して困ること
人口が減少して困ることは国としての力が無くなっていくことです。
先進国とは若い人の活気にあふれた豊かな国のことで、物を作り出したり、芸術文化を発信したり、最先端の科学技術を保有して、優秀な研究者を多く輩出する国のことです。
国力があれば他の優秀な国とも対等な付き合いが出来ますし、お金を出す支援や人の交流などを通じてお互いに豊かな国として発展出来るのです。
ところが国力が無くなってきますと先進国としての地位は無くなり、発展途上国としての扱いになってしまいますので、国際的にも不利な地位になり、結果として国民の生活がどんどん不便になってくるのです。
人口が増えている国は若い人達の活気にあふれ、我が国の将来は高齢者ばかりの活気のない国になってしまいます。
人口減少と墓じまい
我が国の人口が減っていくのは、後継者が居ないからであり、どんどん家が絶えていくということであり、家が絶えるという事は、墓じまいする人も増えていくということになるのです。
後継者が居なければお墓を作っても維持管理できませんので、やがては自分達も後継者不要の樹木葬や合葬墓、散骨などで最期を迎えることになるのです。