核家族化とは

核家族化のイラスト

核家族化とは夫婦だけあるいは夫婦と未婚の子供が同居する家のことで、子供が結婚したら同居するのではなくて、別の家に住むようになる傾向のこと。

家族制度について

地方では今でも一つの家に親、子、孫のように何世代もの家族が同居して、農業や林業などの家業を皆で分担して運営し、子育てや介護なども助け合いながら支え合っている家が多く、家を中心として何世代もの家族が生活を共にしながらも、若い世代の後継者である夫婦が家を継ぐことで、子孫繁栄と家内安全が幸せの姿とされてきました。

地方での家族制度は家の中或いは地域での助け合いの精神が根付いており、子供や高齢者に対しても皆で支え合う点は素晴らしいのですが、先祖から引き継いだ家業が朝から晩まで休みなしで働くことや、自然を相手の過酷な労働であることなどが若い人から嫌われるようになり、家業を引き継ぐことをやめて公務員やサラリーマンになる人が増えています。

都会化の波

我が国では昭和の終戦後に高度経済成長の波が押し寄せ、都会で働けば労働時間も決まっているし、休みもあり、高収入が得られることから、地方の若者が競って都会に出て働くようになり、結婚して自分の家を持ち、便利な都会の生活をするようになると、もう田舎に帰るような気持ちが無くなります。

現代社会の問題点

現代社会は少子高齢化、核家族化、そして人口の減少が加速度的に進行し、様々な問題が出てくるようになりました。

人口の減少にしても都会に比べて地方の減少が著しく、むしろ都会では人口が増えているのが現状であり、地方の両親が亡くなってしまえば、両親の住んでいた家は解体されて更地になり、先祖からの墓も墓じまいすることで地方の空洞化が進んでいるのです。

家の価値観に変化

家というものは長男が後を継ぐものであり、絶やしてはいけないものという昔からの価値観は今の時代、完全に崩壊しています。

特に都会では家は継ぐものではなくて、個々に持つものであり、住む人が居なくなったらその家は綺麗に片付けられて売られ。全く別の人が住むようになるのです。

墓にしても代々受け継ぐものではなく、後継者不要の樹木葬や散骨が当然の如くに選択されるのは時代の流れに沿っているからなのです。

核家族化の今後

都会を中心として家や家族の価値観が変化していくことが地方に広がっていけば、全体の価値観も変わってきます。

若い人が都会に出ていき、高齢者夫婦のみが残った地方では両親が亡くなると家も墓も片付けられてしまいます。

都会で暮らす若い夫婦もやがて子供達が独立して自分の家を持つようになれば、何時の間にか高齢者夫婦になってしまい、やがてどちらも亡くなってしまえば住んでいた家は綺麗に片付けられることが増えていくことでしょう。

子孫の者が亡き人のことを覚えていて、手を合わせることが供養ですが、綺麗に忘れてしまうこともまた供養なのです。