寺院、霊園と桜の樹
春になって桜の花が咲き始めますと旧街道や公園に桜の名所がたくさんありますが、寺院や霊園にも桜の樹が多いという事に気が付きます。
春を告げる神が降りてきた
私達日本人は春になれば満開に咲いた桜の樹の下で春の訪れを祝います。
北国の農業に携わる者は寒い冬の間は雪に閉ざされて作物を作れませんし、秋に収穫した作物と保存食を食いつなぎながら細々とした生活を続ける訳ですから、暖かい春が来るのを心待ちにしていたのです。
桜の花は葉が出る前に咲きますので樹全体が花の色で染まり、春の桜前線と言われるように、皆に春の到来を知らせて廻る訳ですから、ある意味とても目出度い神の使者であり、天から降りてきた神の力を受けて祝う行事が春の花見なのです。
御神木として
ソメイヨシノの寿命は70年程度だと言われていますが、山梨県北杜市にある山高神代桜は樹高10.3m、根元・幹周り11.8mもある巨大なエドヒガンザクラの樹齢は約2千年と言われていて、神代からの伝説が残る御神木として崇められています。
都立の多磨霊園や八柱霊園にも桜の樹がたくさんあって、春になれば多くの人が訪れます。
霊園にある桜の樹は亡き人の霊を鎮める役割があり、お墓への御供の意味もあるのです。
5万円の樹木葬の桜
茨城県稲敷郡美浦村にある如来寺の桜は本堂の裏にあり、5万円の樹木葬のすぐ傍にありますので、春になれば満開の花を咲かせて春の訪れを祝ってくれます。
この桜は樹木葬のために植えたものではありません、皆が楽しむためのもので、もちろん樹木葬にお参りに来られた方も、そうでない方も充分に楽しんで下さい。