墓地の再分譲
墓地の再分譲とは一度分譲されて使用された墓地が墓じまいされて更地になり、返還墓地となったものを再び使用者を募集して分譲すること。
返還墓地とは
返還墓地とは墓じまいして更地にした使用歴のある墓地のことです。
近年では地方から都市部への人口の流入が集中していて、都市近郊の墓地が慢性的に不足しており、新規霊園の開発が困難なことから、返還墓地を再び分譲することで対応しているようです。
慢性的な墓地不足に対しては後継者の居ない人が増加しているという社会的な事情もあり、従来型の個別の墓地ではなく、皆が一緒に入る合葬墓形式の墓地の需要の方が増えてきました。
既に100年程度の歴史のある都立霊園では、分譲面積が広かった創建初期の墓地が返還された場合には、2分割もしくは4、6、8分割などに分割して分譲することで分譲数を増やして墓地不足に対応しています。
使用歴ありについて
神道は死を穢れと考えますので、ある意味お墓とは穢れを清める場所なのですが、そういう意味では一度埋葬された場所は穢れた場所という観念があることは事実であり、死者の供養の場所として家族の者が頻繁に手を合わせに訪れた思い出の場所であることもあり、使用歴ありの場所は未使用の場所と比較すると敬遠されるのは当然ですが、現代では未使用の場所が無いという事実に直面していますので、他に選択の余地がある訳でなく、希望者が多数いて抽選という事態になれば、それでも身近な場所に安くて安心出来る墓地が欲しいということなのです。
墓じまいの時には必ずお浄めをして遺骨を取り出し、墓石や付帯設備の一切を撤去して更地にしますし、書類上も墓地解約及び遺骨の改葬も完了した上で再分譲するのですから、使用歴ありであっても以前の状態を知らない限り、新しいお墓と何ら変わりありません。
再分譲は得か損か
再分譲の墓地に関しては募集する時にその旨明記していますので、それを承知の上で応募することになりますが、全くの新規の墓地と比較して料金的に安く設定しているので、ある意味お得です。
更地になっていますので新規の分譲と比較しても同じであり、新しいお墓を作ってしまえば良いのです。
今後我が国では少子高齢化、核家族化、人口の減少がどんどん進み、後継者の居ない世帯もますます増えていきますので、自分のお墓を持つことが困難になり、後継者不要の樹木葬や合葬墓、或いは散骨が大切な役割を担うようになってきます。
お墓に関してもまだ需要はあるのですが、近くて安くて安心な墓地が手に入りにくくなっていますので、再分譲の墓地が当たり前になってくるのです。