家の裏にお墓!?

誰も参らない墓

地方では家のすぐ裏にお墓があったり、裏山に専用の墓地がある光景を良く目にしますが、これは合法なのでしょうか。

昭和初期までの慣習として

今の時代では許可されないのですが、代々続く家などは、習慣的に家の敷地内にお墓を造って利用してきた歴史があり、特別に許可を得て墓を造ったのではありませんが、昔からそうやってきたという理由で、それが黙認されています。

昭和23年に制定された墓地埋葬法では、許可された場所以外での埋葬は禁止されていて、墓地として許可を得るためには宗教法人としての登記や、学校、病院、民家から100メートル以上離れている事、周囲近隣の同意を得ることなどが法律で決められていますので、昭和23年以降には基本的に個人の家の裏に墓を作ることは出来ません。

慣習として維持されてきた墓地は認められ、新規の建立は出来ませんので、ある意味永代使用料年間管理費を払う必要の無い貴重な自分の土地にあるお墓ということになります。

お墓の管理者は

こういった場合には、お墓の管理者は当然、お墓の持ち主となる訳で、改葬などで役所に提出する改葬許可申請書には、申請者と管理人が同じということになります。

こういった事は、事前に役所には写真などを持って行って説明しておいた方が良いと思います。

実はとても価値のあること

家の裏にお墓があってしかも自分の土地であれば素晴らしいメリットだらけです、それは

  • 年間管理費を払わなくて良い
  • いつでもお墓参りに行ける
  • その気になれば土に還ることが出来る

などの素晴らしいメリットがあり、実はこれがお墓本来の姿でありますので、無くしてしまうのはとても勿体ないことなのです。

こういう国家公認の場所でしたら別に立派なお墓がなくとも、穴を掘って遺骨を埋葬し、木を植えるか自然石を上に置くだけで立派なお墓になるのです。

そうすれば石材店に余計なお金を払うこともありませんし、死して土に還ることが出来るのですから。

こういう素晴らしい遺産は残した方が良いと思いますよ。

人に譲渡したり貸したりは出来ない

せっかく自分の土地に国家公認の墓があるのだから、分譲して一儲けするかと考えてはいけません。

譲渡、貸与、分譲などは出来ません。

家のすぐ裏のお墓の墓じまい

先祖に聞く-墓じまい

故郷に住む両親が共に亡くなった等の理由でやむを得ず家屋敷と土地を売り、墓じまいする時には、お墓を解体撤去して更地にし、遺骨は取り出して改葬するか樹木葬別の場所に散骨するなどのことが必要です。

墓じまいで気を付けること

一般的な墓じまいはお墓の使用人が霊園の管理者に墓じまいの申請をすることになりますが、家の裏のお墓の場合には、お墓の使用者とお墓の管理者が同じ人になりますので、仮に墓じまいに反対する人が居ても自分一人の判断で簡単に書類が通ってしまいますが、家と土地を売る事、墓じまいすることは親族の方や周囲近隣の人に必ずお知らせしましょう。

家屋敷を更地にする、或いは人に売るような場合にはお墓の地上建造物を撤去することはもちろんのこと、地下のカロートや基礎部分などを綺麗に取り除く必要があります。

土葬の場合には掘り返して遺骨を残すことなく収集する必要があります。

改葬時の問題点

一般的な霊園の場合には遺骨の埋葬時には埋葬許可証の提出が必要で、提出された埋葬許可証は霊園が預かることになり、他の霊園に改葬する時には埋葬許可証の返還或いは埋葬証明書を作成してくれますので、他の霊園への改葬がスムーズにいきます。

ところが自宅の裏のお墓の場合には案外、古い御先祖の埋葬許可証を紛失してしまい、いくら探しても出てこないということがあって、改葬に支障をきたすことがあります。

御先祖の遺骨が古すぎて誰の遺骨か分からない、土葬された人の遺骨が誰の遺骨か分からない、骨壺に名前が書いていないなどで改葬するのに必要な書類を揃えることが出来ない時には、証明書不要の海の散骨森の散骨を検討したら良いと思います。


まだまだあります墓じまいに関する質疑応答