激安粉骨とは
激安粉骨とは数千円の料金で安さを競い合っている業者の粉骨で、葬祭の概念が無い焼骨の粉砕サービスのことです。
粉骨の必要性
近年では後継者が居ない人が増えていて、お墓を持てない或いはお墓を維持することが出来ないということになり、散骨や後継者不要の合葬墓、樹木葬などの利用者が増えてきました。
散骨には海の散骨と山の散骨がありますが、いずれにしても遺骨を粉骨する必要があり、散骨の増加に伴う散骨業者や粉骨業者もまた増えているのです。
散骨の時に焼骨をそのままの形で撒くと、死体遺棄の罪になり、警察に通報されてしまいます。
散骨ではお墓参りが出来ないので、お墓参りをしたいと言う人は後継者不要の合葬墓や樹木葬を選択するのですが、合葬墓や樹木葬にしても粉骨することが条件となっている所が多いのです。
粉骨すれば容量自体は1/3から1/4になりますので、納骨する時にスペースが少なくて済みますし、散骨などの目的に於いては自然に還るスピードが早くなるのです。
粉砕機は便利
電動粉砕機は家庭用としても普及していますし、電動ミキサーにミルが付属した物もありますので、家庭でふりかけやすりごま、きな粉、粉末茶などを作ることが出来てとても便利です。
電動ミキサーでも粉末に出来そうな気がするのですが、電動ミキサーでは固形物の粉砕は禁止されています。
その理由は電動ミキサーのカップがガラスで出来ているために固形物を入れて粉砕しますと、ガラスが割れて重大な事故に繋がる可能性があるからです。
その点電動ミキサーにミルを付けますとふりかけやきな粉があっという間に出来るのですが、ミルはミキサーと比べてガラスの容器が小さく丈夫に作られていますのでミキサーのカップと比べて少量しか出来ませんが、そりでもすり鉢や乳鉢などを使っての粉末作業と比較して簡単で楽に早く出来るのです。
カップの容量が大きい電動ミルはカップ自体がステンレスで出来ていますので、高速回転の機種ならば少々音がうるさいですが、石のような固形物でもあっという間に粉にするのです。
遺骨を粉砕するには
遺骨を粉にするのに最も簡単な方法は電動ミルに入れてスイッチを入れるだけであっという間に粉になります。
但し家庭用の電動ミルぐらいではカップの大きさが小さいので、大人の方の遺骨を粉にするには数回に分けて粉砕する必要がありますが、それでも30分もかかることなくサラサラの粉の出来上がりです。
但し焼骨には金属やガラス、石などの不純物が入っていますので、不純物を取り除いてから粉砕しないと電動ミルの回転刃がすぐダメになってしまいます。
激安粉骨業者は電動ミルを使って次々と遺骨を粉骨してしまいますのでとても安い料金で出来るのです。
遺骨が粉になればそれで良いと考える人にとっては安くて助かるサービスですが、遺骨の粉骨も葬送であるという大切なことを忘れてはいけないのです。
理想の粉骨は
理想の粉骨とは儀軌を行い、時間をかけて手作業で丁寧に粉にする方法です。
手作業の粉骨
遺骨は本来は長い時間を掛けて自然に還るべきで、長い時間を掛けて自然に還すことが出来ないのなら、手作業で丁寧に行うべきなのです。
牛や馬のための飼料の粉砕ではありません、少なくとも亡き人の遺骨であり、自然にお還しするための粉骨であるということを考えれば分かるはずです。
亡き人を送るということを真面目に考えれば当然のことが行われていないのが現実であり、儀式無しで機械で粉骨すれば間違いなく無縁仏、亡き人は迷います。
亡き人に対して儀式を行い語り掛け、納得してもらうことが大切なのです。
これは亡き人の立場に立ったら分かることです。
僧侶の立場として粉骨供養を実践し、NPO法人としての粉骨供養も実践していますが、私としては当たり前のことですが、世の中何か間違っています。