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石材店とは
石材店とは建築や施設、霊園などで使用する石材を加工、販売したり設置、施工、撤去などの業務を行う店舗の事で「石屋」とも言い、専属或いは契約の技術職人が所属しています。
石材店の仕事
石材店は公営霊園、民間霊園、寺院などに付属する形で営業していることが多く、大きな霊園では門前に多くの石材店が並びます。
石材店が少ない地方では近隣の多数の霊園や集落の墓地を掛け持ちしています。
石材店の仕事は霊園区画の販売取次、墓石の新規建立から日常のメンテナンス、手直し、納骨の立会い、墓じまいなど多岐にわたります。
主な仕事としては次のような内容です。
霊園の販売取次
霊園の門前で営業している石材店は墓石の販売と共に霊園の販売取次を行い具体的な墓地の提案をすることで、完成した場合の形が分かりやすいように工夫しています。
実際に開いている区画を案内したり、他石の模型を使ってプランを提示したりすることで具体的な内容が分かるのです。
樹木葬のある霊園では遺骨を粉状にして納骨しますので、石材店が遺骨の粉骨を請け負っていることもあります。
墓石の販売
近年では良質な国産の石材が採れなくなってきたことからほとんどの石材が国外からの輸入になり、墓石として加工された状態でパレットに乗せられて送られてくることから、一昔前のように原石を自前の工場で加工するという事がほとんどありません。
住宅の木材が加工された状態で海外から送られてくることと同じで、海外での安い労働力を利用することで墓石の販売価格を抑えているのです。
御影石にしても海外から様々な色と模様の物が入るようになり、デザインも洋式が増えて曲線的なものが採用されていますので、一昔前のような四角い形の積み重ねのお墓は少なくなりました。
お墓の建立
墓石が加工された状態で海外から入ってくるので、石材店の現場の作業員の仕事は出来上がったお墓を組み立てる仕事になりました。
但し○○家などの文字を刻む仕事はあります。
お墓はカロート部分を含めた基礎部分がしっかりしていないと墓石の重量に耐え切れなくて傾いたりヒビが入ったりしますので、地震対策としての耐震補強を施した基礎のコンクリート打ちなどの仕事が含まれます。
東日本大震災では地震と津波による道路や建物などに甚大なる被害がありましたが、お墓にも倒壊や損壊、ズレるなどの被害が数多く見られました。
お墓の石は重さが数十キロから数百キロもあり、地震で倒れたらとても危険なので、最近の新しいお墓は耐震補強が施してあります。
納骨の立会い
墓地に遺骨を納骨する時には納骨式の準備をした上でお墓の蓋である拝石を開けて骨壺をカロート内に納骨し、拝石を閉める一連の作業を行います。
納骨式で使う線香や焼香なども準備しておき、日差しが強い時や雨が降りそうな時にはパラソルの準備もしておきます。
納骨式の前には亡き人の戒名や名前、没年月日などの情報を戒名盤に刻んでおきます。
お墓の改修
草が生えないようにコンクリートを塗ったり物置石を追加で設置したりなどの改修作業も行います。
地震で墓石がズレたりヒビが入った時の修理も行います。
墓参り代行
霊園の門前の石材店はお墓を建立した人の管理も行っていますので、電話をすればすぐに対応してくれますので、お墓参りが出来ない人のために墓参り代行も行っていることがあります。
お花やロウソク、線香なども販売しているのですぐにお墓参りに行くことが出来ますし、お墓の掃除代行も行っていることがあります。
墓じまい
お墓というものはお墓を管理する後継者が居ることにより存続し続けることが出来るのですが、後継者が居なくなってしまった墓地の墓じまいも大切な仕事です。
近年では少子高齢化、核家族化、人口の減少が確実に進行していますので、後継者の居なくなる家が増えるばかりで、それに伴う家じまい、墓じまいが増えているのです。
指定石材店について
寺院や民間の霊園の場合には指定石材店と言って、使う石材店が指定されていることがあります。
特に寺院の場合には石材店との癒着が多いので、他の石材店を使いたくても使えないという事があるのです。