消えゆく家紋

家門とは家の由来を表す紋章で、昔は結婚式やお葬式の紋付袴などによく使われていたものですが、お墓にも大抵は家門が入れてあり、家門のある位置としては正面中央の花立の位置に彫ってあることが多いものです。

最近は家という事が意識されなくなってしまいましたので、家系と言うことにも関心が無く、自分の先祖がどんな人であったかということを知らないことが多いようです。

お墓には代々の先祖が眠っている訳ですが、その先祖と自分が繋がる場所がお墓であり、先祖の魂を引き継ぐために家門が彫ってあるのです。

墓じまいで墓石を撤去しますと、必ずこのような家紋の石があって、墓じまいの度に消えていくのですが、伝わってきた先祖からの思いや魂まで家紋と一緒に捨て去らないようにして欲しいと思います。

写真の家門は「丸に根笹」です。笹も竹も同じ意味で、松竹梅は縁起の良いもので、竹は長生きと繁栄の象徴です。そして寒い冬でも葉が枯れないので、強い命の象徴です。