集落の墓地

集落の墓地

集落の墓地とは地方の集落の住民が昔から共同で管理している共同墓地のことです。

集落墓地の歴史

餓鬼草紙

死者の葬送の方法の歴史を見てみますと、平安時代では庶民の死体は村はずれの決められた場所に捨てられていたようで、一部の権力者のみ土中に埋葬されてを作ることが出来たようです。

墓と言っても土を盛り上げただけのものから、石を積み上げたりなどをする墓もあり、埋葬の習慣としては死者がこのように出てきて悪さをしないようにと上から重たい石を載せるのが墓の始まりなのです。

縄文時代の集落に於いても人の亡骸を捨てる或いは埋葬する場所は決まっていて、生活する場所よりも少し離れた所にあり、貝殻や動物の骨を捨てる場所とは違う場所でした。

集落の墓地の役割

山間部の集落では集落を見下ろす山の斜面に墓地が形成されていることが多く、大抵は集落の共有林としての場所であることから、集落の住民であれば誰もが死後の埋葬地として平等に使うことが出来るという役割があります。

墓地が集落よりも高い場所にあるのは死後に家の守り神として高い所から見守るという意味があり、先祖の守護を常に受けながら暮らしているのですから、先祖を常に敬い、毎日墓参りに行くような習慣が今でも残っているのです。

集落墓地の向きはお墓は集落の方に向いていることが多いのは、先祖が常に子孫の者を見守っているという証なのです。

集落の墓地の管理

集落の墓地の管理は集落の住民がそれぞれ自主的に行うのが原則ですが、持ち回りで定期的に管理者を決めて墓地の草刈りや清掃、道の整備などの奉仕作業を計画実行します。

管理者は個々の家から管理費を徴収し、電気水道代や備品の購入、奉仕作業参加者へのお茶菓子代などに充て、奉仕作業に参加できない人や遠方に住んでいる人からは協力金を請求しているようです。

皆が平等に使うための共同墓地ですから墓地の管理は皆の奉仕で成り立つことを理想としています。

集落の墓地の墓じまい

集落の墓地の墓じまいは墓地の管理人の承諾が必要になりますので、まずは墓地の管理人に連絡してみることです。

墓地の管理人は集落に住んでいる人なら誰でも知っているはずですし、もし管理組合の制度が無いような墓地でしたら墓地の事を知っている寺院、親戚、町内会長、近隣の住民などに頼むことになります。

改葬許可申請書を提出する役所には予め、墓地の管理人が居ないので代理人を立てる旨相談しておきましょう。

自宅の裏に昔からお墓があるような場合には、自分が管理者となります。