骨壺の中に土
墓じまいをする時にお墓のカロートの中から骨壺を取り出して蓋を開けてみたら土が入っていることがありますが、その理由とは。
骨壺と遺骨
一般的に使われている骨壺は遺体を火葬した後の焼骨を入れるための物で、陶器で作られていることが多く、大理石で作られた物や金属製の物もあります。
いずれにしても
- 火葬後の熱い焼骨を入れても燃えないこと
- お墓に納骨してもカロートの中の高温多湿な環境に耐えられること
などの機能が求められますので、上記のような材質になりますが、焼骨を入れる容器であることに変わりはありません。
骨壺の中に土
墓じまいをする時にお墓のカロートの中から骨壺を取り出して蓋を開けてみたら土が入っていることがありますが、これは土葬のお墓を改葬する時に土を掘り上げても遺骨が出なかった時に、遺骨の代りに骨壺に土を持ってきたことに依ります。
土葬のお墓が遠方にあり、家の近くのお墓に遺骨を移したいという時に、土葬のお墓を掘り上げて遺骨を収集したものを骨壺に入れて新たに納骨することになりますが、遺骨が土に還ってしまって無かった時の対応策としての土なのです。
その他の理由としては、故人が山中で亡くなったのは事実だが、捜索しても見つからなかったなどの理由で遺骨の代りに土を持ち帰るようなこともあります。
戦死された方の遺骨が無いので、代わりに戦地での土を少し頂いて骨壺に入れたなどのこともあります。
土の扱い
遺骨を含めた亡骸というものは元々土に還ることが地球上の生き物としての務めなので、最後には土になるという意味では遺骨も土も同じことです。
ある意味土にはいろんな思いが染みついていることでしょうが、土には浄化能力がありますので、不浄のものを浄に変え、死を受け入れると共に新たな命が芽生える場でもあるのです。