お墓に亡き人の遺骨を納めることを納骨と言いますが、
墓地埋葬法での埋葬行為にあたります。
埋葬とは
埋葬とはそもそも、亡き人の遺体を火葬せずに土の中に埋めることで、
昭和30年代より以前には、土葬が主流でしたので、
亡き人の亡骸を火葬することなく埋葬していた訳です。
当時は亡くなった人が出ると、
お葬式の準備とお墓の穴を掘る準備の両方をする必要があり、
お墓の穴にしても、1.5~2メートルの深さで、
人が十分に入るだけの広さの穴を人力で掘る訳ですから、
それは大変な作業であり、身内の者が掘るか、
専門の穴掘り人夫に頼んでいたのです。
生身の体を土に埋めることで、長い年月をかけて分解されて、
やがては土に還っていたのです。
自然に還るという意味ではまさに自然葬で、
火葬などの余計なエネルギーを使わないという意味では
地球に優しいエコな方法でした。
お墓というものは本来、故人が埋葬されたその土の上に
建てられていたものなのです。
現代の埋葬
しかし、墓地不足や衛生上の問題点から火葬に切り替わり、
火葬場で火葬された遺骨を自宅に持ち帰るようになってからは、
カロートと言われる納骨室を備えたお墓の中に
骨壷を納めるようになったので、
もはや埋葬ではなく、安置するという形式になってしまいました。
お墓の中に骨壷を置いているだけですから、
自然に還ることは決してありません。
お墓が骨壷の安置所になっていることで、
遺骨がこれ以上入らないなどの様々な問題が出てきているのです。