埋葬許可証、火葬許可証とは

埋葬許可証のイラスト

埋葬許可証、火葬許可証は埋火葬許可証とも言い、死亡者の火葬の許可や埋葬の許可を示す、役所が発行する公的な書類のことです。

役所が発行する理由

役所は担当地区に居住する住民に対して福利厚生を提供する義務があり、たとえ所得が全く無くても人の生死に関して、火葬や埋葬などの最低限度の権利を保障しています。

そして住民の生死に関しては常に正確に把握して福祉が行き渡るように、そして課税が正確であるように管理する必要があるのです。

人の死に関してはくれぐれも間違いがあってはならない事ですので、例えば死亡人を他の人と間違えたり、実際には亡くなっていないのに火葬してしまったりの間違いが無いように役所で管理されているのです。

火葬許可証は

埋葬許可証とは

火葬許可証とは人の死に際して、医師が間違いなく死亡と判断し、生き返る可能性が無いので、火葬しても良いですよということを証明する書類です。

人の死亡に関しては医師の診断書が必要で、死亡時に医師の立会いの下で本人の住所、氏名、死亡時間や死亡原因などの事項を死亡診断書として作成してもらいます。

死亡時に医師の立会いが無かった場合には警察の立会いの下で事件性が無いかどうかを審査の上、場合によっては司法解剖の上で医師に死亡診断書を作成してもらいます。

医師の「死亡診断書」を役所に提出すれば「火葬許可証」を発行してくれますので、死亡時間から24時間経過すれば火葬をすることが出来ます。

埋葬許可証は

女性の説明イラスト

そして大抵は葬儀の後になりますが、火葬場に「火葬許可証」を提出して火葬、収骨後には火葬場で「埋葬許可証」を発行してくれます。

埋葬許可証とは故人の焼骨を埋葬しても良いですよということを証明すると共に、その遺骨が間違いなく所轄の火葬場で火葬された焼骨であることを証明する書類です。

埋葬許可証があれば墓地や納骨堂、樹木葬への納骨が可能になります。

近年では埋葬許可証と火葬許可証を一つにまとめた「埋火葬許可証」に統一されているようです。

散骨の場合

葬送とは

散骨を利用する場合には「埋葬許可証」は必要ありません、散骨は埋葬行為ではないからです。

散骨とは亡き人の焼骨を粉骨して粉状にしたものを自然の中に散布することであり、土の中に埋葬するこではありません。

散骨にも「全量散骨」と「部分散骨」があり、全量散骨とは遺骨を全て散骨することで、部分散骨とは一部を散骨することです。

更に部分散骨の仕方としては

  • お墓喉仏だけ納骨して残りを散骨
  • 一部を手元に残して手元供養して残りを全て散骨
  • 一部を本山に納めて残りを散骨

などの多種多様な方法があります。

部分散骨で一部を納骨するような場合には埋葬許可証は必要です。

全量散骨した場合には埋葬許可証は不要です。

不要になった埋葬許可証の処分

お焚き上げ供養

散骨された方で納骨する予定の無い方には必要の無い書類になってしまい、処分してしまっても良いのですが、少しだけ残したお遺骨を納骨するようなことが将来的にある場合には、保管しておくことをおすすめいたします。封筒サイズで机の中にでも入りますので、邪魔になるようなことはないと思います。

全量散骨した場合の埋葬許可証は不要な書類ですが、一応は公的な書類ですから保管しておいて、どうしても捨てきれないような時には高野山真言宗やすらか庵の寺院のお焚き上げ供養をご利用下さい。

定型郵便サイズでしたら500円のお焚き上げ供養料で、お焚き上げすることによって天にお還ししますので、決して粗末になりません。

NPO法人やすらか庵の散骨を利用された方に関しては埋葬許可証は無料でお焚き上げ供養させて頂いております。

埋葬許可証の保管期限

埋葬許可証は長年に亘って自宅に遺骨を安置したままであれば使うことはありませんので、いつまでも保管したままになります。

かなり時間が経過してから納骨するようになった場合には、書類が古くなっていても構いませんので、そのまま使う事が出来ます。

埋葬許可証には使用期限がありませんので、長年の保管で黄ばんでいるような書類でも構いません。

埋葬許可証の再発行

埋葬許可証の再発行は可能です、故人が火葬された所轄の役所と火葬を執行した火葬場に行って申請すれば再発行してもらえます。

役所だけの手続きで済むこともありますし、役所と火葬場の両方に行く必要があることもあります。

埋葬許可証は再発行してくれない役所もありますが、それに代わる書類は作成可能です。