散骨は違法ですか?
散骨に関しては国の法律や規則などがありませんので、違法ではありません。わが国では人口の減少が進行していることからお墓を必要としない人が増えていて、散骨の需要は増えています。
現在のところは散骨に関する国民の動向を静観している状態です。
散骨に関する法律はありません
散骨に関して国は現在のところ「国民の動向を静観している」状態ですので、今後に於いて法律が出来たり規制が行われるような可能性はありますが、今のところ法律などは一切ありません。
法律が無いという事は一人一人の自主性に任されている状態なのです。
また散骨に関する定義も明確なものはありませんが、現在のところ「葬送の目的を持って焼骨を粉状にして自然の中に散布すること」ではないかと思います。
最低限必要な事は
- 遺骨を粉骨すること
- 自然の中に散布すること
です。
この二点は明らかにお墓の埋葬とは違うところです。
散骨は埋葬行為ではありませんので、「墓地埋葬法」の影響は全く受けません。
国が正式に認めた訳ではない
散骨は現在のところ、葬送の方法として国が正式に認めた訳ではありませんが、後継者が居ない方が続出している現状から、
- お墓を買っても無縁になってしまうこと
- 現在あるお墓を墓じまいしなければならないこと
に該当する人が増えているのに、それに対する決定的な解決法が無いということが、多くの人が散骨を利用している理由なのです。
近年では公営の霊園に後継者が居ない方用の合葬墓を新設する動きがあります。
しかし公営の霊園に合葬墓を併設している霊園はまだ少なく、合葬墓があったにしても都立多磨霊園のように利用者が増えすぎて満杯になってしまい、受付を中止している状態で、需要に対して充分な供給が出来ていないのです。
国が正式に認めている訳ではありませんが、利用者が急増してているし、代わりの方法が無いので黙って見ているという状況なのです。
散骨急増の理由
近年になって散骨が増えて来た理由は
- 少子高齢化
- 核家族化
- 人口減少
などがありますが、お墓というシステムが崩壊している事が如実に表れています。
都立の多磨霊園では創設から90年程度の年月が経過していますが、当初に墓地を購入した世代から3代位後の世代になっているはずですが、後継者が居なくて無縁仏になっている墓地がかなりの数になっています。
一般的な法と規則には従うこと
散骨に関しては法が無いから何をしてもよいということにはなりません。
自然の中で行う事ですから、一般的な法と規則は存在します。
- 遺骨をそのままの姿で散骨すれば死体遺棄罪になります
- 国有林で散骨は土地の個人的な使用になりますので出来ません
- 他人の土地に入って散骨すれば不法侵入罪になります
- 海水浴場で散骨すれば不法投棄になります。
散骨が合法であることは 散骨に関する法律 をご覧ください。
厳密に言うと、国も国民の宗教的感情などを考慮して状況を静観しているということなのですから、少なくとも非合法ではない、ということは合法であるのですが、決して法に守られているという立場ではありませんので、色で言うと「グレー」なのであり、白でも黒でもありません。
これからどうなるという保証もありませんので、何とも言えませんが、散骨に代わる選択肢を国が提供できなくて、皆が利用している以上は、このままであり続けると思います。
散骨は今日本が直面している少子高齢化や核家族化に対応する環境に優しい方法であると私は確信しております。
他にもたくさんの散骨に関する質疑応答があります