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お墓の中の遺骨
お墓のカロートの中に長期間納骨してあった遺骨は、取り出して蓋を開けてみますと、必ずと言っていいほど水が溜まっていますので、このような状態では粉骨することが出来ません。
水分を含んだ状態の遺骨は乾燥させないと粉砕することが出来ないのです。
骨壺に水が溜まる理由
お墓から遺骨を取り出すのに、まずはお墓の蓋を開けなければいけません。
お墓の蓋は自分でも開けることが出来ますので、その詳しい解説は…お墓の蓋の開け方
骨壺の中に溜まった水を見て皆さん、お墓の中に水が溢れて流れ込んだのだろうかと思いますが、実際に低い土地や水はけの悪い土地でカロートの中に水が溜まっていて骨壺が浮いていたということもありますが、そのようなことは稀なことです。
お墓のカロートの中は常に高温多湿の環境であり、特に夏場では朝晩の気温差が激しいことから、骨壺の中には気温の寒暖差によって生じる水滴が付き、それが一滴ずつ溜まっていくのですが、長い年月が経過しますと、いつの間にか骨壺の中には水が一杯になってしまうのです。
骨壺の蓋というものは完全に密閉される訳ではありません、必ずすき間があってその中には湿気の多い空気が流れ込み、その空気が朝晩の気温差によって水滴が生じるのです。
骨壺の蓋が開かない!?…骨壺の蓋の開け方
お墓から取り出した時には
お墓の中から遺骨を取り出す時に異様に重たいと感じる事がありますが、このような時には骨壺の中に水が大量に入っています。
石材店が遺骨を取り出す場合
墓じまいなどでお墓のカロートから遺骨を取り出すのは石材店がしてくれますので、そういう方はこの事実を知っていますので骨壺の中の水抜きはさりげなくやってくれます。
プロの石材店なら遺骨を全くこぼすようなことなくやってくれますので安心ですが、中の遺骨の乾燥まではしてくれません。
自分で遺骨を取り出す場合
自分で遺骨を取り出して骨壺の水抜きをする時には、お墓の中でも水を流して良い場所か、或いは溝のような場所で骨壺の蓋を押さえたまま横向きにすれば少しずつではありますが、チョロチョロと水が出てきますので、出て来なくなるまで横向きにします。
この時に必ず気を付けなければいけないことは
しっかりと蓋を押さえてから横向きにすること
で、蓋を押さえていなかったら蓋が開いてしまって、中の遺骨が飛び出してきたということになってしまいます。
水が骨壺の胴体ギリギリまで入っていればおそらく5リットルぐらいの水が入っているはずで、骨壺の水切りをすれば骨壺を持った時の重量は随分と軽くなっているはずです。
骨壺の胴体と蓋のすき間は少ししかありませんし、遺骨の細かい粒が詰まってきますので、勢いよく流れ出ることはありませんので5分~10分ぐらいの時間横向けにして、水がほとんど出なくなったら水抜きは終わりです。
遺骨の乾燥を自分でする場合
どうしても自分でやらないと気が済まない人が遺骨の乾燥をする時には、夏場の猛暑の炎天下に新聞紙を庭に広げて遺骨を取り出して広げ、朝から夕方まで干すことを5日位すれば乾燥すると思います。
大腿骨などの方の骨の中までは中々日光の熱が届かないので、乾くのに時間が掛かります。
ただしこの光景は人に見られないようにすることです、洗濯物を庭に干しているのとは訳が違いますし、通行人に見られたら警察に通報されるかもしれませんので。
そして夏場は時々ゲリラ豪雨が来ますので、天気が怪しくなったら取り込むことに気を付けましょう。
遺骨の乾燥を頼む場合
遺骨の乾燥は厳密に言いますと、再火葬することになりますので、火葬炉が必要になります。
鍋に入れて空焚きするようなことをしていても、中々遺骨の水分は抜けません。
再火葬すれば30分ほどの時間で遺骨が真っ赤になり、鉄を熱した時の灼熱状態と同じで、水分は完全に抜け切りますので、あとは冷ませばサラサラの状態になります。
火葬場でも再火葬はしてくれますが、埋葬許可証や改葬許可証などの書類の不備があれば受け付けてくれません。
NPO法人やすらか庵ではお墓から取り出した遺骨の再火葬のための火葬炉がありますので、お気軽にご相談下さいませ。
遺骨の再火葬料金は1体11,000円(消費税込)で御座います。