墓じまいをするのに適切な年齢とは

墓じまいに適切な年齢とは

後継者がいないと分かっている場合にはお墓が無縁になってしまいますので、いつか墓じまいをしなければいけませんが、年齢的にそれは何時がよいのでしょうか。

後継者が居ないという判断が確定してから

お墓参り

墓じまいをする理由として最も多いのは、お墓を管理してくれる後継者が居ないことですが、後継者が居ないということが確定するには何をもって判断したら良いのでしょうか。

  • 自分自身が生涯結婚しなかった
  • 離婚して子の親権を元妻に譲った
  • 結婚したけれど子供が出来なかった
  • 子供が女性ばかりなので後を継がせたくない
  • 男の後継者が居るが海外に移住した
  • 男の後継者が居るが墓の継承を拒否された
  • 男の継承者が居るが新興宗教に入って先祖供養を否定する
  • 妻の親元の墓までは長男に継がせたくない

などのいろんな理由がありますが、家族構成や住む場所、考え方、宗教観の違いなどでお墓を引き継ぐことが出来なくなったと最終的に判断するのは、後継者の可能性のある人物がが全く居なくなった時です。

お墓の継承者は必ずしも長男である必要は無く、女性でも構いませんし、霊園によっては三親等以内の親族であれば良いとされています。

お墓の縁故者が居なくなってしまえば霊園としても管理料が入らなくなりますし、お墓の撤去、合祀についての費用の負担がかかることから、最近では縁が遠い人であっても名乗り出て、管理料を払ってくれるのであれば継承者として認めるような傾向になっています。

早すぎても良くない

早すぎる墓じまい

いずれ後継者が居なくなるからと早めに墓じまいをして失敗することも実際にあります。

たとえば娘ばかりの姉妹なので無理して後を継がせるような必要が無いからと、早めに墓じまいすると、実は長女夫婦がお墓の面倒を見る気持ちがあったことが分かって後悔した、ということも実際にあるのです。

果たしてそのようにしたとしても、将来的に次の世代に引き継げるかという新たな問題も出てきますので、何とも言えませんが、継承者の可能性のある人を集めての事前の話し合いも必要かと思います。

親心(おやごころ)というものは自分の娘たちに迷惑を掛けたくない、自由な選択をしてもらいたい、という気持ちの現れですが、墓じまいに関してはあまりに早すぎても良くありません。

物言わぬご先祖様の側から見れば、面倒だから早く片付けたと思われても仕方ありません。

遅すぎたらアウト

不治の病と墓じまい

誰でもそうですが、墓じまいのようにまとまつたお金が必要な事に関しては、後回しにしがちです。

そして何時かはしようと思っている事なら、まだ大丈夫、まだ大丈夫ということでどんどん時間が経過して行くものです。

あまりに遅すぎたので病気になってしまい、ついに出来なかったとか、体が動かなくなってしまったなどの病気や老化現象は高齢になればなるほど重症化してしまいます。

あまりに遅すぎてもいけません。

ちょうど良い年齢は

墓じまいの適切な年齢

後継者が居ないと分かっていて墓じまいしようと思っていても、自分がいつまで生きているかが分かれば計画出来るのですが、そんなことは誰にも分かりません。

70歳になったら

私はこれまでに多くの方に墓じまいのアドバイスをさせてもらったり、実際の墓じまいの施工をして参りましたが、その中で痛感することは、自分自身がある程度の年齢になり、もうそろそろお片付けの準備をしておかないといけないな、と思ってから少しずつお片付けするのに、10年は必要だということです。

80歳まで生きるとしたら、自分のお片付けをするのに、70歳から始めておかないと、間に合わないのです。

墓じまいは自分自身のお片付けではありませんが、この世に生まれてきた者の務めとしてやらなくてはいけない大切なお片付けなのです。

実際に墓じまいをするにしても、計画してから半年から1年ぐらいかけて完了するのですから、人生最後のお片付けとして、墓じまいをするのであれば、70歳を迎える方は、もう始めないといけません。

まだ大丈夫だと思っていても、時間の過ぎるのは、早いものですよ。


まだまだあります墓じまいに関する質疑応答