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何故お墓を終わらせるのか
お墓の後継者が居ない場合、お墓を管理する人が居なくなり、お墓と先祖の遺骨が放置されてお墓が無縁になり、草木が生えるなどして荒れ放題となり、周囲近隣に迷惑をかけてしまいます。
お墓の土地は自分の物ではないから
お墓を購入した人にとって「お墓を買ったからもうお墓の心配をしなくて安心」と言いたいところですが、お墓を買ったつもりでもお墓の土地は決して自分の土地ではないということを肝に銘じなければいけません。
お墓の土地は借り物ですから毎年借地料を払うことになりますので、借地料を払う人が居なくなる場合には速やかに管理者に返還する必要があります。
公営、民営、寺院のお墓の場合
公営、民営、寺院のお墓では必ず「年間管理費」を払うことになりますが、年間管理費とは霊園の事務所の維持管理や電気、水道、霊園の共有部分の管理などに使われる大切な費用で、その費用は墓地の通路の清掃などには使われますが、個々のお墓の区画内は一切ノータッチです。
お墓の区画の中にゴミが落ちていても、草が生えていても霊園の管理者は一切何もしません。
個々の区画の中のことは区画の使用者がするべきことなのです。
年間管理費を毎年払っていてもお墓の区画の中のことまでは何もしてくれないのです。
当然草木が生えて来たりしますと使用者に連絡が行って、警告されるのです。
しかしそういう警告も年間管理費を払ってさえいればお墓を強制撤去されるようなことはありませんが、年間管理費を払わなくなれば強制撤去の手続きに入るのです。
お墓には、契約する時に、土地の区画を購入するのではなくて、土地の区画を永代に亘って借り続けることが出来ますよ、という「永代使用料」を支払い、賃借料として「年間管理費」を払い続けるという仕組みなのです。
お墓の土地は借り物であって、決して自分の土地ではありません。
しかし、年間管理料を支払っている間は、いつまでもその土地を使い続けることが出来ますよ、という「永代使用権」を持ち、あたかも自分の土地のように使うことが出来るのです。
従って、「永代使用権」を持ち続けるには、年間管理料を払い続ける訳で、その年間管理料を払う人が「使用者」であり、使用者は基本的に契約者本人であり、契約者が亡くなった場合には、その継承者が引き継ぐことになるのです。
従ってお墓は継承者が居続ければ何の問題もありませんが、継承者が居なくなれば誰も管理料を払えなくなりますし、お墓の日常的な管理も出来なくなります。
集落のお墓の場合
集落のお墓でも年間管理費に相当する物を徴収したり、草刈りや清掃奉仕を義務付けて、参加出来ない人はお金を払うという仕組みを取っている所もあります。
また集落の共有地ということで、集落の住民であればお金を払わなくても使えるような所もあります。
しかしいくらお金を払わなくても良いからと言っても、後継者が居なくなって、お墓を管理できる人が居なくなれば、そのお墓の管理は集落の人達の負担となり、最終的には迷惑を掛け続けるということになるのです。
継承者の居ないお墓は荒れ果てるから
お墓の継承者がいなくなったということは、自分より次の世代にお墓の権利を渡せなくなったということです。
子供がいないとか、いても女の子ばかりなどの理由で継承者がいなくなります。
お墓の継承が出来ないと分かった時点で、もし現在の継承者がいなくなると、そのお墓はやがては必ず誰も参ることがなくて、荒れ放題の無縁墓になってしまいます。
先祖の墓を無縁にしてしまわないように、周りの人に迷惑を掛けないために墓じまいをするのです。
お墓が無縁になる前に
もしお墓が無縁になってしまったら、それによって困るのは、まずお墓の管理者です。
年間管理料が入らないばかりか、お墓の片付けの責任まで背負わされるからです。
しかし、年間管理料が支払われなくなってしまったり、お墓参りに誰も来ることなく、荒れてしまった時点で、お墓の管理者は、保証人や親族などに連絡を入れて、お墓の継承か、片付けを請求することになりますので、保証人の方や親族に迷惑をかけてしまうかもしれません。
また、お墓参りをする人がいないので、草や木が生えて、周囲のお墓の方にも迷惑をかけてしまいます。
何よりも、お墓の中にいるご先祖様が一番悲しまれるのではないでしようか。
後継者が居ないのは誰の責任でもありません
後継者がいなくなってしまうことは、あなたの責任ではありません。
余計な事かもしれませんが、先祖というものは子孫の者が幸せに生きてくれることを願い続けているのです。
自分が親の立場になって初めて親がしてくれたことの有難さが分かってくるものですが、自分があの世に行って初めて先祖の気持ちが分かるのかもしれません。
私達が感じていなくても亡き人達は私達の事を最後の最後まで思ってくれているのですから、せめてありがとうの気持ちを持ちたいものです。
ご先祖から受け継いできたものを終わりにする訳ですから、最後ぐらいは綺麗にお片付けしたいものです。
遺骨は自然に還るべき
墓じまいして遺骨を何処かに預けてもロッカーみたいなところに納めて管理料を払い続けるのであれば、墓じまいと言っても只お墓が無くなっただけのことです。
遺骨というものは亡き人の身体の一部ですから、何時かは自然に還さないと、誰かが管理しなければいけません。
墓じまいしたら遺骨は必ず自然に還る形にしましょう。
お墓のカロートの中に骨壺の中に入った遺骨を置き続けたら、たとえ千年経っても遺骨は自然に還らないのです。
私達の身体は大自然からの借り物ですから、必ず大自然にお還しするか、樹木葬や合葬墓のような後継者不要の選択肢を選ぶようにしましょう。
理想の墓じまい
墓じまいはお墓を終わりにして、お墓の中のご先祖様を最終的に大自然にお還しする、或いは合同の施設に入ることです。
そうすることで余計な物を残すことはありません。
「借りた物は全部綺麗にお還しする」のが墓じまいの鉄則なのです。
まだまだあります墓じまいに関する質疑応答