お墓の中が骨壷でいっぱいになった時

お墓の納骨室が骨壺でいっぱいで入らない

お墓には骨壷を納める納骨室がありますが、子々孫々のためにと造られたお墓も入る人が増えてきますとやがてはいっぱいになってしまいます、或いは都会向けのお墓の納骨室は小さいので、すぐにいっぱいになってしまいます。

お墓の中の納骨室が骨壺でいっぱいになった時の対応策をご紹介致します。

納骨室がいっぱいになる理由

最近の都市型のお墓は面積も狭いですがお墓自体も小さく、納骨室も狭いので、すぐにいっぱいになってしまいます。

芝生墓地タイプの小さなお墓でしたら骨壺が2個しか入らないようなお墓もあります。

骨壺でいっぱいになる理由としては

• 納骨室が小さい、狭い
• 大きな納骨室であったが、たくさんの骨壺が入っているのでもう入らない
• 故郷の墓地の改葬先として購入した墓地だが、改葬した時点で既に多くの骨壺があった
• こんなに次々と身内の者が亡くなるなんて思ってなかった

などの理由によります。

もうこれ以上入らないという時には、本当に困ります、お墓の納骨室を大きくする工事は大掛かりな工事になり相当な費用が掛かります。

納骨室がいっぱいになって困ること

お墓の納骨室がいっぱいになってしまったということは、もうこれ以上の遺骨は納骨出来ないということですから、万一身内の人が亡くなった場合に、遺骨を納骨出来ないということになります。

そしてお墓というものは死後の安住の場所として管理する自分達もやがて入ることが出来るという安心感が得られるものですが、遺骨で一杯になってしまって誰も入ることが出来ないようなお墓を管理することは苦痛になってしまいます。

更に遺骨でいっぱいになってしまって誰も入ることが出来ないお墓の面倒を自分の子供に頼むなんて到底出来ないことでしょう。

納骨室が骨壺でいっぱいになったら

お墓の納骨室は上に載っている墓石を支えるという大きな目的も果たしていますので、コンクリートや石で頑丈に作られていますし、基礎部分と連携して作られていますので、簡単に拡張と言うことは出来ません。

どうしても場所を変えることなく納骨室を大きくしたかったら、お墓を全部撤去して更地にしてからの作り直しということになってしまいますので結構な費用が掛かります。

そんなことに大金をつぎ込んでもまた何時かは骨壺でいっぱいになるかもしれませんので、思い切り大きくして中を2段式か3段式の棚にすれば結構広くなり、場所を変えたくないという要望は叶えられます。

納骨室がいっぱいになった時の解決法

お墓の納骨室が骨壺でいっぱいになった時の対策としては、お墓への対策とお墓の中に納骨している遺骨への対策の二通りがあります。

お墓の対策

お墓の中に納骨されている骨壺はそのままでお墓を何とかしたい時の方法です。

大きいお墓を新規購入

金銭的に余裕があれば同じ霊園内で或いは自宅に近い場所に理想の霊園で大きいお墓を契約購入して遺骨を移せば以後は安心して利用出来ます。

特にお墓が自宅から遠方にあって不便を感じていたような方にとって、歩いて行けるような距離に理想の霊園があるのなら、移転する価値は十分にあります。

自分達だけでなく、子供や孫の世代までも利用出来ることはお墓としての目的です。

現在のお墓のカロートを拡張

お墓のカロートは遺骨を納骨するという目的の他に、重たい石材を支えるという役目もありますので、上に石材が乗ったままでの拡張工事は不可能で、必ず上に乗っている石材を下ろしてからの工事になりますが、カロートの拡張は基礎部分をやり直す必要がありますので、全部の作り直しとなり、お墓の新規建立と同じような費用がかかってしまいます。

愛着のあるお墓なら、費用を掛ける価値は十分にありますが、安価な費用でカロートだけを拡張することは諦めた方がよいでしょう。

遺骨の対策

お墓の中に納骨されている遺骨の入った骨壺は陶器で出来ていて、遺骨の量に対して大きめの骨壺が使われていますので意外と場所をとってしまい、カロートの中が骨壺でいっぱいになりやすいものです。

コンパクトにして納骨室のスペースを有効利用するには骨壺を小さくする、骨壺の遺骨を布袋に移し替える、遺骨を粉骨するなどの方法があります。

お墓のカロートの中の遺骨を取り出すには僧侶に供養してもらって石材店に蓋を開けてもらう方法が安心ですが、自分でお墓の蓋を開けるという方法もあります。

骨壺を小さくする

一般的に火葬場での収骨時には大きめの骨壺が準備され、特に関東では遺骨の量に関係なく7寸の壺が準備されますので、実際に骨壺の中に入っている遺骨は骨壺の大きさに対して少ないことが多いのです。

そこで少し小さめの骨壺に移し替えますと骨壺が小さくなった分、納骨室にスペースの余裕が生まれます。

お墓のカロートに納骨するには骨壺のカバーや桐箱は不要ですから、骨壺単体だけ購入しましょう。

遺骨をそのまま納骨袋に入れる

骨壷にこだわらなければ、骨壷から遺骨を出して納骨袋に入れるという方法があります、遺骨が土に還るという意味では骨壷よりも、布袋に入っていた方が理想です。

しかし関東のお墓の納骨室は、全部石かコンクリートで囲まれていますので、土に還ることはありませんが、骨壷よりも骨袋の方がスペース的には余裕が生まれてきますし、骨袋は積み重ねることも可能です。

関西あたりでは、お墓に骨壷を納骨するのではなく、布袋に入れて納骨するところがありますので、「納骨袋」と検索すれば販売されています。

布袋には故人様のお名前を書けばとても親切ですが、いずれ誰の遺骨か分からなくなりますので、無理して書く必要はありません。

上の写真は私がミシンで手作りで作ったものでございます、さらしの布で構いませんので、袋状に作って、可能ならば巾着で縛れるようにすればベストです。

但しお墓の中に納骨されていた遺骨は乾燥した方が袋に入れやすくなります。

遺骨を乾燥、粉骨

遺骨を布袋に入れて納骨したが、それでも余裕が無い、あるいはお墓の中には今まで通り骨壷で入っていた方が良いと思うなら、「粉骨」をおすすめいたします。

粉骨すれば容量が少なくなり、骨壷の大きさが小さくなりますので、スペースに余裕ができ、粉骨した遺骨を布袋に入れればもっと余裕ができます。

遺骨を粉骨して布袋に入れてお墓に納骨

納骨室の下が土になっているようなお墓でしたら、粉骨した遺灰をカロートの中に散布して土に還すことも可能です。

これでお墓を大きくしたり新しい霊園を購入したりする必要はなくなります。

粉骨した場合の骨壷の大きさの目安は

７寸(直径２１cm)→４寸(直径１２cm)程度になります

↑粉骨後(４寸相当の壷)　↑粉骨前(７寸の壷)

乾燥、粉骨してお墓の中に散骨

お墓という場所は本来は遺骨を埋葬するべき場所なのに、いつの間にか遺骨の安置室になっています。骨壺の中に納められた遺骨は永遠に土に還ることはありません。

土に還ることの無い骨壺が納められたお墓は何時か必ず後継者が居なくなり、墓じまいという事態になってしまいます。

土に還るという意味では遺骨は骨壺に納めるのではなくて、骨壺から出してお墓の中に埋葬するべきです。

しかしながら現代のお墓は完全に遺骨の安置室になっていて、周囲を全てコンクリートで固めた上に、さらにご丁寧に水抜きの排水溝を取り付けたり、換気口を取り付けたりの異常事態です。

お墓のカロートというものは本来、上の写真にあるように下が土になっていないといけません。土ならば穴を掘って埋葬することが出来ますし、粉骨して埋葬すれば骨壺でいっぱいになってしまったという事態が無くなるのです。

お墓に納骨してから33年もしくは50年以上経っていて、法事をすることの無くなったご先祖様に関しては、もう家の守り神になったという解釈をしますので、個別の壷に納まっている必要はありませんので、ご先祖様は皆一緒ということで、カロートの下が土であるのであればお墓の中に散骨しても構いません。

こういう時には骨壺から遺骨を取り出してカロートの中に撒いてしまいます。

但しこのような場合には、僧侶の方に立ち会って頂いて、供養の読経をしてもらうことが望ましいです。ご先祖様にはお断りを入れないといけないからです、何の予告も無しに勝手にひっくり返すことはとてもよろしくありません。

こういう時に呼ぶべき僧侶が居なかったら、代表であります清野がやすらか庵の僧侶でありますので、どうぞお気軽にお呼びくださいませ。