お墓の蓋を開けること
お墓の蓋は黄泉の世界の入り口で、この世とあの世を仕切る扉だと思えば、蓋を開けるという行為に関しては、とても怖いものであり、ある意味気軽に開けてはいけないパンドラの箱のようにも思いますが、果たして開けても良いものでしょうか。
お墓の蓋の役割
お墓の蓋には様々な役割がありますので、その役割について説明いたします。
死者の霊を鎮めるため
死者の葬送の方法の歴史を見てみますと、平安時代では庶民は村はずれの決められた場所に捨てられていたようで、一部の権力者のみ土中に埋葬されて墓を作ることが出来たようです。
墓と言っても土を盛り上げただけのものから、石を積み上げたりなどをする墓もあり、埋葬の習慣としては死者がこのように出てきて悪さをしないようにと上から重たい石を載せるのが墓の始まりなのです。
死者は悪い霊になって荒れ狂うことがあるとされますので、如何に鎮まってもらうかは大切な事だったのです。
墓泥棒を防ぐため
権力者の古墳の石室の中には権力者の亡骸と共に金銀財宝などの多くの副葬品が入れられていることが多く、亡き人が黄泉の国で不自由しないようにとの思いが込められているのですが、その入り口は大きな石で蓋をされていることが多く、石室の中には簡単には入れないようになっています。
それでも昔から墓荒らしと言って死者の副葬品を盗む者が必ず居て、たまに大きな古墳が発見されるようなことがあっても、大抵は中を荒らされていて副葬品が無くなってしまっているのです。
墓荒らしの結末としては原因不明の病気になった、急死したなどの結末を迎えることが多いそうで、泥棒の中でも死者に供えられた物を盗ることは死者の怒りを買うことに繋がると言う戒めなのかもしれません。
黄泉の国との境目として
お墓の中が黄泉の国に繋がっているとしたら、お墓の蓋はまさに黄泉の国のドアと同じことです。
黄泉の国のドアを開けてしまったら、自分も吸い込まれて行くことがあるかもしれません。
お墓の蓋を開ける時
お墓の蓋は重いです、気軽に開けてはいけないという意味があるからでしょうか、丈夫で重い石の蓋がしてあり、比較的新しいお墓でしら、蓋のすき間にコーキング材を入れてありますので、簡単には開けることが出来ませんし、閉める時にはコーキング作業が必要になります。
しかし墓じまいで改葬の手続きが必要な時などでは、お墓の中に入っているお遺骨を正確に把握しておく必要があり、事前にお墓の蓋を開けて中を確認することになります。
お墓の蓋を開ける時には、出来る事なら僧侶を呼んでお清めかお祓いの読経をしてもらい、石屋さんに開けてもらうのが一般的な方法ですが、自分でお清めをしてから開けても法律的に問題あるようなことはありません。
お墓の蓋の石は相当に重たいものですので、間違えば大きな事故にもなりますし、遺骨の確認は複数の人が確認した方が万一の時の証人になりますので、二人以上で行動することをおすすめいたします。
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