後継者とは
後継者とは後継ぎのことで、前の人の権利や役割、財産などを引き継ぐ人のこと。
継承者も同じ意味ですが、正統な思想や文化を受け継ぐ人という意味合いが強くなります。
後継者の役割
農業や漁業、林業などの家業を営んでいて2世代以上が共に暮らす大きな家に住んでいるような人なら、後継者の方が居れば家業の後継ぎをしてくれるかもしれませんので安心です。
また工場を経営していて家族が経営に関わり、多くの従業員を抱えている会社なら、出来れば自分の子供に後を継がせたいと思うものです。
こういった場合には先祖代々からの引き継ぐべき遺産や財産があって、家屋敷も代々住み続けることを前提に作られていますので、後継者の果たす役割は大きいのです。
自分の後継者が後を継いでくれることを思えば家を改築したり、機械や設備を新調したりで将来への展望が開け、後継者に将来を託することが出来るのです。
家の後継者
先祖代々続くような大きな家がある場合には長男が後を継ぐことが通例で、女の子ばかりの家では婿養子を取って後を継いでもらうようなこともあります。
旧家と言われる家や、庄屋、武家の子孫などの代々続いているような家柄は、途中で耐えてしまうことを極端に恐れ、可能な限り正統派と言える人が継いでくれることを望むのです。
家業の後継者
農業、林業、漁業などの第一次産業を営んでいたり、会社や工場などの経営者の場合には身内の者が後を継ぐことにより、財産を他人に渡すことなく引き継いでくれますし、身内の者ということで後のことを安心して任せることが出来ます。
しかし身内であるが故に財産を食い潰したり、有能ではない者が引き継いだりすることによって事業が破綻してしまうようなこともあるのです。
しかしながら先祖や親から引き継いだ物に関しては、自分の代で絶やしてはいけない、繁栄させなければいけないという意識が働くので、意外とうまくいくものです。
お墓の後継者
家であれ家業であれ、引き継いだ者として付いてくる責務があるもので、後継者にはお墓の祭祀権というものが勝手に付いてきます。
寺院の檀家であれば法事やお葬式などの葬祭を主宰しなければいけませんし、先祖代々の墓の掃除、墓参りなどの維持管理も後継者の役目になります。
墓じまいと後継者
お墓というものは家の後継者が後を継いで維持管理し、やがては自分も入るべき場所になるのですが、もし自分が最後の後継者になった場合には維持管理することが出来なくなってしまいます。
お墓を維持していくには年間管理費を払い続けることやお墓参り、お墓の掃除や手入れなどが条件となり、後継者が居続ければ何の問題も無いのですが、後継者が居なくなってしまったら、諦めるしか無いのです。
もし自分が最後の後継者になったら墓じまいということになりますが、お墓に代わる選択肢としては、永代供養、散骨、樹木葬などがあります。
永代供養
寺院での永代供養は寺院があり続ける限り、管理者が居なくても遺骨を埋葬供養し続けるという仕組みです。
一定期間は個別に供養してから、合同での埋葬ということになるのが一般的です。
その一定期間とは住職一代という取り決めであったり、30年間などの期限が付いています。
寺院という聖なる領域で寺院の続く限りその場所に埋葬してくれるということはある意味とても有難い事ですが、寺院の永代供養は1体あたり数十万円という高額な御布施が必要なことが多いのです。
散骨
散骨には海の散骨と山の散骨があり、どちらも遺骨を粉骨してから自然に還すことは同じです。
束縛されるのが嫌いな人や大自然が好きな人は、散骨を抵抗なく受け入れることが出来る人です。
考えようによっては、狭くて暗いお墓の中に半永久的に閉じ込められることを屈辱的だと思う人もたくさん居ると思います。
樹木葬
散骨はお墓と違ってお墓参りする場所ではありませんので、どうしてもお墓参りをしたのであれば樹木葬をおすすめいたします。
樹木葬でしたら何時でもお参りが出来るのです。
最近の樹木葬は後継者が居なくても契約出来るタイプが増えていますので、ある程度の期間は個別に使用出来て、その後は合同になることが多いですが、後継者が居ない人にとってみれば、お参りしてくれる人がいずれ居なくなるのですから、理想のシステムはないでしょうか。