お墓の名義を持っている人のことを「使用者」と言い、
年間管理費を払ったり、お墓の掃除をしたりと、
維持管理する必要があります。
使用者が死亡した時には、その継承者が新たに使用者になりますので、
霊園事務所に出向き、継承の手続きをします。
使用者は基本的に継承者がいることが前提条件で、
特にお墓の新規契約時には、継承者が存在しないと契約できません。
お墓の引越しや墓じまいなどの改葬も使用者の権限で行われますが、
お墓も先祖代々ともなると、親族や友人などの多数の人がお参りしている、
或いは関係している可能性がありますので、
可能な限りお知らせして、同意を得る必要があります。
そうでないと、「お墓参りに来たらお墓が無かった」ということが起こるのです。
私共も実際に墓じまいをしてる最中に、
花束を持って、そのお墓を探している方に遭遇したことがあります。
縁の遠い方だったのですが、「一言、言ってくれたら・・・」
との言葉に困ってしまいました。
お墓に関する権限は使用者にありますので、
使用者が決めることに反対する権限は誰にもありませんが、
人と人との繋がりを配慮する必要はあります。
大体において、何をするにもお金は出さないが口は出す、
という親族がいて、厄介なことになりがちですが、
それでも話し合いは大切なことで、
目に見える者同士の言い争いではなくて、
目に見えないご先祖のためを思う心が大切です。