骨壺をゴミに出す時
墓じまいや散骨や粉骨が済めば、お遺骨を入れていた骨壷は不要になりますので不燃ごみとして出すことになりますが、そのまま出しても良いのでしょうか。
不要の骨壺は捨てる
骨壷などの葬祭品は、故人様が亡くなった時に、故人様のために準備したものですから、もったいないですが、基本的に再利用しません。
我が国の葬祭の世界では「一度きり」という思想があり、葬式は一度きりにして、何回も繰り返さないようにと縁起を担ぎます。
お葬式の挨拶で「返す返す」「いよいよ」「次々」などの繰り重ね言葉を使わないことは良く知られており、もう一つ大切な事として、危篤状態の人に対してまだ生きている内に葬式の準備を始めたら大変に失礼なことになります。
そういう意味では散骨して不要になった骨壺をもったいないから次の人のためにとっておきましょう、ということは決してしないのです。
葬儀で使った物に関しては不要になったら遠慮なく捨てるのが基本なのです。
そのまま出しても可?
骨壺を割ると破片が飛び散りますし、大きな音が出ますから、部屋の中でなくて屋外で割った方が良いですが、可能であればそのまま不燃ごみとして出してしまった方が捨てる時には楽です。
不燃ごみの袋に入れて口を結ぶことが出来ればOKとなっている自治体が多いようですから、自治体に確認の上で出して下さい。
不燃ごみの袋に入らない、或いは口が閉まらない場合には割って出すことになります。
注意事項
骨壺には名前が書いてあったり彫ってあることがありますので、透明の袋に入れて出しますとさすがに皆にジロジロと見られてしまいますし、近所で噂になってしまうかもしれません。
故人の名前の他に没年月日、享年などが書いてあることがあります。
シールになっている場合には剥がして出しましょう。
マジックで書いてある時にはシンナー、アルコール、灯油、除光液などを布や紙に染み込ませて擦れば綺麗に取れます。
機械で彫ってある場合にはどうにもなりませんので、布テープなどを張り付ければ人目につくことはありません。
理想は割ること
葬祭で使ったものを処分する理想の方法は、なるべく骨壺を割ってから不燃ごみとして出すことです。
最近の骨壷は名前を彫ってあることが多いので、名前の部分は特に念入りに砕いてください。
NPO法人やすらか庵では名前の部分はグラインダーで削ってから丁寧に細かく粉砕して事業所ごみとして他のものとは混ぜずに有料処分しています。
骨壷は故人様のお遺骨を出してしまうと、ただの陶器の入れ物にすぎませんが、丁寧に扱うことは大切だと思います。