家じまいとは
家じまいとは住む人の居なくなった家を片付けて撤去し更地に戻すこと。
空き家が増えている
今我が国では人口の減少、少子高齢化、核家族化が確実に進行しています。
同時に地方の過疎化が大きな社会問題となり、若者の都会への流出によって高齢者ばかりの町や村となり、税収が減少し行政サービスの縮小、公共交通の縮小・廃止、企業や商店の撤退・廃業など生活が益々苦しくなり、残された高齢者も夫婦だけのお二人様世帯がやがてお一人様世帯となって、そのお一人様が亡くなると空き家になってしまい、管理する者が居なくなった家はどんどん荒れていくのです。
増える空き家は社会問題に
総務省の令和5年 住宅・土地統計調査によると2023年度の全国の空きやは約900万戸で、前年に比べて51万戸の増加となり、過去最大の増加となりました。
全ての家の個数の約7軒に1軒は空き家となる計算になり、この比率は年を追うごとに増え続け、2040年台には約3軒に1軒が空き家になると予想されています。
空き家が増えて困ることがたくさんあります。
治安が悪くなる
一旦空き家になって家の管理が出来なくなると、家の周りの草木が伸び放題、板が剥げ柱が腐り、天井が抜けて雨漏りで家の中はカビだらけ、動物が住むようになって糞だらけで獣臭が漂います。
外から見たら空き家はすぐに分かるものです。
家の中に家財道具を残したままにしていると泥棒が入り放題、場合によっては浮浪者が住み着いたり犯罪に使われたり放火されても誰も通報する人が居ないので、空き家を放置することにより治安が悪くなってしまいます。
65歳以上の住民が半数以上の限界集落では集落全体が犯罪者に狙われてしまい、生活することが困難になって、やがて集落ごと消滅してしまうのです。
崩落事故の危険性
空き家を長年放置していますとやがて家自体が崩落してしまい、高台の家はがけ崩れの危険が増し、道路際の家は道路を塞ぐ可能性があります。
隣の家が長年空き家になっていますと、万一自分の家に倒れてきたら困りますし、事故の危険性と隣り合わせの生活では安心して過ごすことが出来ません。
家じまいは誰がする
故郷の両親が共に亡くなって誰も住む人が居なくなった家は、身内の者が住む、売る、貸すなどで再利用すれば無駄になることはありません。
空き家を利用する予定が無いのなら、空き家を更地にすることより固定資産税が上がりますので、出来るだけ家が建っている状態で管理し続けることが望ましいのですが、空き家が遠方にある場合などでは中々定期的に管理することは困難です。
我が国では空き家問題を解決するために空き家を放置すると固定資産税が6倍になる制度がやがて始まりますので、やはり家じまいをしなくてはいけなくなります。
家じまいは故人の後継者の役割になります。
長男などの直接の後継者が居ない時には家族の役割になります。
家の裏にお墓があるような場合には、墓じまいも同時に行う必要があります。