土葬の遺骨はどんな感じですか
土葬の墓じまいでは埋葬部分を掘削して遺骨の有無を確かめ、遺骨が見つかれば収集しますが、遺骨の状態は土に還っている部分とまだ残っている部分があることが多いです。
土葬のお墓の特徴
関東では昭和以前の明治時代ぐらいでは土葬で埋葬され、場合によっては昭和の30年ぐらいまで土葬だった所もあります。
土葬のお墓が現代のお墓と違う所はカロートと言われる納骨室があるか無いかで、土葬のお墓にはカロートが無く、現代のお墓にはカロートがあります。
現代ではお葬式が終わると火葬場に行って火葬し、火葬後に残った焼骨を骨壺に納めて家に持ち帰り、四十九日まで家に安置した後にお墓に納骨することが一般的に行われています。
ところが土葬の時代にはお葬式が終わるとすぐに故人の遺体を墓地まで運び、予め掘られた穴の中に埋葬し、その上から土を掛けますと、遺体の分の土が余ることになりますが、その土も上にかぶせることにより土饅頭のような小山が出来上がり、塔婆などを建てて埋葬の目印にします。
遺体の風化
土葬の場合には遺体を棺桶に入れてから土の中に埋葬され、時間の経過と共に棺桶や遺体は腐敗して少しずつ土に還っていきます。
土に還る要因としては
- 微生物による分解
- 昆虫類による分解
- 菌類による分解
- 土中に染み込んだ雨水による分解
- 土の酸やアルカリによる分解
- 土の化学成分との結合分解
などの影響によって時間をかけて少しずつ土に還っていくのです。
遺体を火葬することなくそのまま土に埋葬するのですから、昔は動物が掘り返して遺体を食べたりすることがあったようで、そのようなことが起こらないように穴の深さは1.5~2メートル掘っていたようです。
順番としては最初に肉体の皮膚や脂肪、筋肉、内臓などが分解されて骨だけになり、その骨も時間をかけて少しずつ分解されていきます。
遺骨の出土の様子
遺骨が土に還る度合いは土の酸かアルカリかなどにもよりますが、100年程度経過してもまだかなり遺骨が残っていますし、50年程度の経過ではまさにガイコツという感じの骨が残っていて、実際に集めてみますと、45リットルビニール袋に一杯になることもあります。
土葬の骨は現代の火葬の焼骨に比べますと水分を含んで硬くて重く、火葬による大きさの収縮が全くありませんので、例えば大腿骨などはもし骨壺に入れたら蓋が閉まらない程の大きさがあるのです。
また水分も含まれていますし、細胞の組織の形跡も残っていますので、散骨するような場合には、このままでは粉骨することは出来ませんので、必ず火葬が必要になります。
火葬とは高温の火で焼くことであり、火葬によって遺骨は軽くなり、収縮して小さくなります。
土葬の遺骨の火葬は公営の火葬場で受付てくれます、NPO法人やすらか庵でも火葬炉がありますので、土葬の遺骨の火葬が可能です。
まだまだあります遺骨に関する質疑応答