手作業の粉骨とは
手作業の粉骨とは故人の焼骨を散骨などの理由で粉状に粉砕する際に、機械を使うことなく手作業で行う方法です。
機械を使った粉骨
一般的に行われている粉骨は電動のミルサー(粉砕機)を使っていて、機械の上部に粉砕刃の内蔵された密閉式のカップがあり、カップの中に焼骨を適量入れ蓋をしてスイッチを入れると高速で刃が回転して10秒から20秒程度でキメの細かい粉になります。
電源を落としてからカップの蓋を開けてカップを傾けたら中の遺骨の粉が出てくるので、再び適量の焼骨を入れ蓋をしてスイッチを入れることを繰り返します。
カップの容量が大きい電動ミルサーを使えば一回で焼骨を粉にすることも可能です。
但し墓じまいで屋外のお墓のカロートから取り出した遺骨は湿気を含んでいますので、再火葬しないと粉骨出来ません。
土葬のお墓から収骨された遺骨も再火葬が必要です。
粉砕機のメリット
機械の粉砕機を使えばとても細かい粒子の粉骨が可能になります。
特に海の散骨では粒子が細かければ細かいほど海水に溶けやすくなりますので、散骨した瞬間に海水に溶けていく様子がよく分かり、故人の海に還りたいという希望を早く叶えて差し上げることが出来るのです。
すり鉢とすりこ木でゴマをすったことの人なら分かるでしょうが、ゴマが大量になれば結構な重労働になりますので、力を使うことなく電気の力で焼骨を粉にする粉砕機を使えば、力のない人でも簡単に作業が可能です。
粉砕機のデメリット
1分間に2~3万回転という高速回転する回転刃であっという間に遺骨のみならず、石や金属などの様々な不純物が混ざっていても何もかも粉にしてしまいますので不純物の多い粉になってしまいます。
大きい金属が混ざっていたら回転時にものすごい音がします。
小麦や大豆を粉にしているようで、有難味に欠けます。
粉砕後に蓋を開けると煙のような粒子が舞い上がります。
手作業の理由
粉砕機のカップの中に遺骨を入れて蓋をして、スイッチを入れれば誰がやっても同じこと、こんなことでプロだと言っている業者には安心して任せられません。
NPO法人やすらか庵では遺骨の粉骨は機械ですれば楽なことは分かっていますが、敢えて楽な方法は取りません、手作業の粉骨です、少し苦労をしますが時間をかけて行います、それは亡き人の身になって考えればすぐに分かることだからです。
人間の体というものは本来、長い時間をかけて土に自然に還っていくものです、それをこちらの都合で短縮させて頂くのですから、丁寧にお断りして、時間をかけて手作業で行うしか無いのです。
そして故人との対話の中で粉骨も散骨も亡き人に納得して頂くことが大切ですから、出来るだけ多くの人が立会う中で亡き人の思い出を語り、会話をしながらの方法を確実に行うことで無縁仏になるようなことはないと確信しております。