土饅頭とは
土饅頭(つちまんじゅう)とは死者を土葬した場所の上に饅頭のように土を丸く盛り上げた墓や塚のこと。
実際の土饅頭は
墓じまいでいろんな場所に行かせて頂きますので、お墓の歴史や価値観を学ぶことが出来ます。
上の写真は千葉県の横芝光町の墓地ですが、海岸に近いことから地面が砂地になっていて、墓地でありながらもまるで砂浜の海岸を歩いているようです。
この墓地のあちこちに、このような土饅頭があり、子供の砂遊びのようにも見えますが、土饅頭の横には必ず花立があることから、昔の土葬の場所で間違いないと思います。
昔は人が亡くなれば、丸い棺桶に座った状態で入れて蓋を閉め、深い穴を掘った中に棺桶ごと埋葬するのですが、棺桶と言ってもお風呂の桶ぐらいに大きいものですから、上から土をかけてもその棺桶分、掘った土が余ると言いますか、土が盛り上がるので、土饅頭が出来るのです。
その盛り上がった場所は塚と呼ばれることが多く、塚とは周囲よりも高く盛り上がった場所のことです。
土饅頭が陥没!?
土葬の時代に土葬された死者は棺桶と共に時間をかけて土に還っていきますが、棺桶の蓋が朽ちて落ちますと上に乗っていた地面も落ちて来て。急に地面が陥没するようなことがよくありました。
昔は墓場で子供が遊んでいて急にいなくなったので探してみたら、陥没した地面に落ちていたなんていうことがよくあったそうです。
時々陥没する土葬のお墓は陥没する度に土を入れて固め直しますが、やがて土が落ち着いたら何もする必要はありません。
お墓のあるべき姿
墓石も何もないシンプルなお墓、土を盛り上げているので、小さいながらも山であり、亡き人が降りて来る依り代の役割を果たしています。
墓標は覚えている人が心の中に刻めば良いことで、今更ながら中々良いお墓だと思います。
しかしこれでは石材店が儲かりません。
私達の地球上の生命としての役割は、死して名にも残さずに土に還ることではないでしょうか。