海の散骨

近年では地球温暖化の影響で大規模な自然災害が増える傾向にあり、集中豪雨にしても50年に一度や観測史上初などの表現が連発する災害が頻繁に起こるようになりました。

これからは皆が「これまで体験したことの無いような」或いは「未だかつて無かった」ような災害に遭遇することを想定した備えをしておく必要があります。

水害で川に流されて行方不明になった方については、生きている可能性があることから官民挙げて全力で捜索されますが、ある程度の日数が経っても捜査が続くのは、まだ生きていて欲しい、もし亡くなっていてもせめて遺体だけでも発見しないと浮かばれないという気持ちがそうさせるのです。

現実問題としては生きているか亡くなったかの証拠が無ければ次に進まないことがたくさんあるからです。

万一川底で見つかったとしても引き上げて苦労をねぎらい、綺麗に乾かして身だしなみを整えてあげて、精一杯のことをして差し上げるものです。

そういう亡くなりかたをした方に関しては魂を鎮めて差し上げるために供養ということが一番の御馳走なのですが、生前の希望や諸事情などで散骨するような場合には、心情的にも海の散骨より森の散骨の方が好ましいのではないかと思います。

水の中で苦しんで亡くなられて、水の中から引き揚げたのですから、また水に戻すという事が心情的に受け入れにくいからなのです。

或いは最近では後継者不要の樹木葬もありますので、樹木葬でしたらお線香を手向けて差し上げることが可能になります。

いずれにしても当分の間はお家でゆっくりとくつろいで頂いて、ある程度皆の状況が落ち着いてから準備すれば良いと思います。