散骨すると成仏出来ないと言われた
地方では先祖と同じやり方で葬送しないと成仏出来ないと言う考えが根底にあり、散骨すると成仏出来ないと言われることがあります。
古い習慣
伝統や古より引き継いできた習慣を大切にする立場からすると、その道を外れるということは許されないということなのです。
ある意味、家という制度を大切にして先祖を敬い、子孫繁栄を願う気持ちなのです。
先祖を敬うことが子孫の繁栄につながり、家族の幸せは子孫が繁栄していくことですから、お墓を大切にして頻繁にお墓参りをし、子孫につなげていくことが大切なのです。
そういう意味では散骨という事が遺骨をお墓に納めて礼拝の対象にするという道から外れて自然の中に捨ててくることであり、遺骨を粗末に扱うことだと思われるのは仕方のないことです。
後継者が居ないという事は家が没落するということであり、家が繁盛することが目出度いことだとしたら、家が没落することは不幸なことになってしまいます。
散骨と成仏
しかし今の日本は少子高齢化、核家族化の進行と共に確実に人口が減っていき、お墓に入ったとしても無縁仏になってしまう人達がどんどん増えているのです。
お墓の維持が出来なくなって大切な御先祖様を無縁仏にしてしまうよりは、散骨で大自然に還して差し上げた方が誰にも迷惑を掛けることもありませんし、御先祖様も納得されるはずです。
散骨しても遺骨を自然に還しただけで、ご先祖の世界に行くことは変わりません。
成仏とは悟りを得て仏になることで、普通の方が簡単に仏になることはありませんが、執着を捨て去ることが大切で、お墓も遺骨も人間の欲望の結果として残されたものだとしたら、その執着からいち早く抜け出すための散骨の方が成仏にはるかに近いのです。
私達が受け継いできた伝統や習慣を守り続けることは大切な事ですが、時代の流れの中で変わっていくことも大切な事なのです。
まだまだ散骨に関する質疑応答