私達は自分が死んだ後にはもうこの世の世界の事は何もすることが出来ません、それは肉体から魂が離れてしまって、生身の肉体は火葬されて骨になるからです。火葬された骨は骨壺に納められて喪主に運ばれていきます。
死んだ後に自らの亡骸がどういった扱いを受けようと全く抵抗できませんし、されるがままです。死後に自分の事が自分で出来ないことについては誰もが同じなのですが、自分の亡骸がどういう扱いを受けているかだけは分かります。
温かく語り掛けてくれて大切にしてもらうことは、とても有難い事なのですが、捨てられたり処分されたりすることはとても悲しいことです。そして最も悲しいことは「忘れ去られること」なのです。
いつまでも覚えておいていて欲しい、いつまでも忘れないでいて欲しい、というのは私達人間のエゴなのですが、私達人間の世界ではエゴの中でも上位のエゴであり、これを満たして差し上げるといことは、癒しや安らぎを与えることであり、仏の心に通じるものに転嫁できるものなのです。
今私達に出来る事は亡き人のことを大切にして差し上げましょう、墓じまいや散骨では亡き人の遺骨を捨てることも出来ますが、丁寧に扱って差し上げることも出来るのです。