最後のお墓参りとは
墓じまいをする前に親族や友人などを呼んで宗教者によるお祓いの儀式を開催し、お墓を撤去する前の最後のお墓参りをしてもらうことを最後のお墓参りと言います。
最後のお墓参りの目的は
お墓参りは基本的にお墓の管理をしている人とその家族が行くものですが、親族の方や故人の友人などがお参りすることもありますので、誰にも知らせることなく墓じまいしたら、時々お参りする人であっても有るべきお墓が更地になっていたらさぞや驚くことでしょう。
お墓を新しく作った時には親族の人達を招待してお披露目をしますが、お墓を閉じる時もまた親しい人を呼んで感謝の気持ちを述べて、現在あるお墓が無くなることを伝え、最後となるお墓参りをしてもらうのが最後のお墓参りの大切な目的なのです。
そして最後のお墓参りのもう一つの目的は、納骨されていた遺骨を取り出して誰の遺骨であるかを改めて確認した上で、参列者に対して樹木葬や合葬墓などに改葬、或いは散骨などの案内をすることです。
今あるお墓は無くなりますけれど、遺骨の引越し先はここですよ、という案内なのです。
最後のお墓参りの内容
最後のお墓参りの流れは次のようになります
- 石材店がパラソル、焼香台などを準備、予め拝石を開けて骨壺取り出し
- 参加者が墓前に集合
- 僧侶到着
- 施主挨拶
- 僧侶による読経供養
- 参加者焼香
- 僧侶の法話
- 施主挨拶
- 遺骨の確認
- 石材店が骨壺を風呂敷に包み施主に渡す
- 僧侶に御布施を渡し石材店にお礼を渡す
- 遺骨の改葬先に向かう
石材店がお墓のカロートの中の遺骨を取り出すタイミングとしては、皆が集まる前に予め拝石を開けて骨壺を取り出し、水切り、清掃した上で墓前に綺麗に並べておけば儀式がスムーズに進むので、このような方法をとる業者が多いようです。
僧侶の読経はお墓のお清めの読経であり、お墓の魂を抜く閉眼供養とも言い、本来は読経の後で拝石を開けて遺骨を取り出すということが正しい方法なのですが、拝石を開けるのに時間が掛かったり、遺骨が取り出しにくいことが実際にありますし、骨壺の中に溜まった水の水拭きをする時間も必要ですので、スムーズな儀式のためにも予め遺骨を取り出して準備するという方法が取られるのです。
最後のお墓参りの日時
最後のお墓参りは墓じまいの工事が始まる前の土日など、皆が集まりやすい曜日を選びます。
開催時間は午前でしたら午前11時、午後でしたら午後1時が妥当な時間で、お昼の食事の接待を考えているのなら午前11時の時間にします。
自分一人、或いは身内の者だけの少人数で行うような場合には平日でも構いませんし、時間もこだわる必要はありません。
こういった行事は雨天決行で、雨の場合には石材店がパラソルやテントを準備してくれます。
最後のお墓参りに招待する人
今あるお墓の最後のお墓参りになりますので、親族或いはお墓参りに来てくれている人にはもれなくご案内を致しましょう。
故人の職場の同僚や友人であってもお墓参りをしてくれている人が居たら、ご案内致しましょう。
正式には出欠の返信用はがきの付いた封筒で案内しますが、電話でも失礼にはならないと思います。
墓じまいした後になって「自分を呼んでくれなかったのは残念」と言われることが無いようにしたいものです。
最後のお墓参りの御布施
寺院に渡す御布施は「読経料」「御布施」などの名目で3万円程度が相場になり「お車代」として1万円程度を別に添えます。
寺院の敷地内にある墓地の場合でしたら「お車代」は不要です。