お墓でするべき事
お墓は御先祖様の霊が降りてくる依り代で、皆がお墓参りに行くのは御先祖様に会いに行っているのです。
そもそもお墓とは
お盆やお彼岸になると私達日本人は家族揃ってお墓参りに行くというのが当たり前のことですが、そもそもお墓って何ですか?という問いに対して正しく答えられる人は少ないことと思います。
お墓を買うにしても「皆が買っているから」「どの家にもお墓があるから」という答えしか出てこないもので、皆と同じにしてさえいれば安心だと言う考えが必ず何処かにあるのです。
以前には「赤信号皆で渡れば怖くない」という何とも変な標語があったのですが、これはたとえ目の前の信号が赤であっても皆で渡れば怖くないものだということで、一人で居る時には赤信号で横断歩道を渡るようなことをしない人でも、多数の人が渡っていたら自分も渉るということなのです。
暴走族も然り、一人で居る時には真面目でおとなしい人でも、集団で居ればどんな悪事を働いても平気という心理が働いているのです。
私達日本人は周囲の多くの人と同じであることに安心を抱く民族なのです。
お墓に何しに来たの?
皆がお墓を持っていて、お盆やお彼岸になればお墓参りに行くから自分も行くという単純な理由の人ばかりの我が国で、一体お墓に何しに来たの?と聞かれたら多分「ご先祖様に会いに来た」と答えるでしょうけれど、お墓に来たら本当にご先祖様に会えましたでしょうか。
御先祖様は魂の存在で、私達の眼には見えない存在ですが、お墓の中には亡き人の遺骨も眠っていますし、墓石には亡き人の名前や戒名も彫ってありますので、お墓に行けば会えるという仕組みが出来上がっていることにより、たとえ目には見えなくとも会ったような気持ちになれるのです。
お墓は霊の依り代です
お墓の石に「○○家之墓」と彫ってあるのは御先祖様が天から降りてくる目印であり、御先祖様の霊は本来巨岩や巨木などの自然の中にある大きなものに降りてくるのですが、お墓の石が積み重ねられて高いのは霊の依り代として作られているからです。
お墓を作った時に僧侶が「開眼供養」と言って魂を入れる儀式を行うのは、お墓の石に御先祖様の霊が降りてくるようにしているのです。
そういう意味ではお墓に行けばご先祖様の霊が天からお墓に降りて来て、目の前に対面するようになっているからこそ、お墓に行けばご先祖様にあおるのです。
御先祖様に聞いてみよう
時間と手間をかけてお墓参りに行くのなら、お墓でしか出来ない事をやってみましょう。
それは「ご先祖様との対話」です。
お墓の掃除が済んで花を立て線香を手向けたら静かに墓前に座り、合掌して息を整え、眉間の所に意識を集中し、亡き人のことを思い浮かべるのです。
これは立派な墓前瞑想法で、雑念がいろいろと浮かびますが、雑念は気にせずにいたら自然と消え去りますので、雑念が消え去った瞬間にもしご先祖様が現れたら、いろんなことを聞いてみて下さい。
懐かしい話をしても良いですし、自分に起こった変化を報告しても良いでしょう。
もし自分がお墓の最後の継承者であるのなら、真剣にご先祖様にどうしたら良いか聞いてみましょう。
必ず教えてくれるはずです。
墓じまいの事などは誰かに聞いても意外と自分勝手な返事しかかえってこないものです。
御先祖様に聞いてみるのが一番良い方法なのです。