お墓に故人の遺品を入れても構いませんか
お墓のカロート(納骨室)は故人の遺骨の入った骨壺を埋葬する場所ですが、遺骨と共に故人の愛用品や遺品などを入れることもあります。
お墓に入っていた物
NPO法人やすらか庵では墓じまいの施工などで随分とたくさんのお墓の中を見てきましたが、実際にお墓の中にあった物として
- 眼鏡
- 入れ歯
- 指輪
- 位牌
- 鏡
- 免許証
- 財布
- 時計
- ネックレス
- お金(硬貨)
- 御札、御守り
などで、
四十九日の間に遺品整理をしてその時に出てきた物を入れることもあります。
時計は長い年月の間に止まっていますし、位牌や財布などは湿気でボロボロになっています。
遺品をお墓に入れる理由
お墓に遺骨を納骨するには管理者の許可が必要ですが、遺骨を納骨する時に故人の遺品を入れることに関しては特別な決まりがある訳ではありません。
墓地埋葬法には遺品を入れることに関しての決まりがありませんので合法です。
遺品をお墓に入れる理由としては眼鏡や入れ歯、お金、時計などは死後の世界で不自由しないようにとの思いが入っているようです。
死後の世界の世界観にもよりますが、古墳時代から死者が死後の世界で生活するのに困らないようにと数々の装飾品を入れています。
また三途の川の船の渡し賃として頭陀袋の中に六文銭を入れる風習があって、六文銭は地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天界の六道の世界の入り口に居る地蔵菩薩に一文ずつ渡すためだとも言われています。
現代では火葬の普及によって金属類を棺桶に入れることが禁止されており、また通貨を死者と共に火葬すると溶けたり曲がったりして毀損されることは通貨毀損になってしまいますので、紙に印刷された六文銭を死者の頭陀袋の中に入れるようになっています。
六文銭に限らず棺桶の中にお金を入れる風習は全国で見られ、死後の世界で困らないようにとの思いがあるのです。
しかし合法だからと言って故人が死後の世界で困らないようにと服や下着などを大量に入れますとカロートの中が一杯になってしまって後から納骨する必要が生じた時に困ることになります。
カロートの中は暗くて湿気が多い環境ですから、布地などは10年程度の年月でも結構ボロボロになってしまい、後片付けが大変になりますので注意が必要です。
遺品の入れ方
眼鏡や入れ歯などは骨壺の中に入れることが多いのですが、棺桶の中に入れて火葬することは禁止されていることが多いので棺桶の中には入れて差し上げることが出来ませんが、四十九日の納骨の時に骨壺の蓋を開けて入れることが多いようです。
納骨の前に骨壺に入れる
故人の遺骨をお墓に納骨する前の段階で自宅にお祀りしている間に、入れてあげたい遺品があるのななら骨壺の蓋を開けて入れておきます。
納骨後に取り出すことがあるかもしれませんので、チャック付きビニル袋に入れてから骨壺の一番上に入れましょう。
骨壺が遺骨で一杯の時にはチャック付きビニル袋に入れてから骨壺の上や横に置きます。
納骨式の時に石材店の人がお墓の蓋を開けて骨壺をカロートの中に入れてくれますので、納骨式の前までには入れておきましょう。
入れ忘れた遺品は
入れ忘れた遺品については、自分でお墓の蓋を開けることが出来る人でしたら、自分で入れましょう。
お焚き上げ供養を利用して天に届けるという方法も有ります。
まだまだありますお墓に関する質疑応答