ニライカナイとは
沖縄には海の向こうのニライカナイ伝説があり、神々の国であり、死後の楽園でもあると言われ、死者が行く国なのです。
日本人のルーツ
沖縄は古代より温暖で過ごしやすく、大陸と地続きだったこともあるので、大陸との関連が強く、日本人のルーツを知るには欠かせません。
日本で発見された最古の人類の化石は沖縄にあります。
沖縄県那覇市の山下町洞窟からは約3万2千年前の子供の骨が発見されました。
1970年に具志頭(ぐしがみ)村湊川で発見された湊川人は約1万8千年前の人骨ですが、顔立ちは縄文人と似ているものの、骨格はかなり原始的でアジア・アフリカとの関連があるとも言われています。
沖縄が大陸と離れて島になった時でも、小船を漕ぎ出してはるかかなたの島や大陸と交流をしていたのですから、冒険心あふれ、友好的な人達だったのでしょう。
沖縄の墓
沖縄を訪れてみると、お墓が独特の形をしていることに気付きます。
家の形をしていたり、女性の子宮の形をしていたりします(亀甲墓)。
家の形をしているものは、本当に人が住めるぐらいに大きいものです。
今貧しい生活をしていても、それは短いものである。しかし、死後の世界は長いので、死後に快適に過ごすためのお墓を立派に作るのです。
また死者の骨を海岸で洗う洗骨という習慣も近年まで行われていました。
骨を洗うことによって、死者の魂を浄化していくのです。
沖縄のお墓は海に向かって建立されているものが多く、海の水平線のはるか彼方には神々の国ニライカナイがあると信じられています。
独特の葬送のしきたりや先祖供養は、死後の国の世界観ニライカナイの思想が強く影響しているものと思われます。
神々の国
ニライカナイは海の水平線のはるか彼方にある神々の集う世界であり、神々がやって来たり、また災難・災いまでもたらす世界であるので、特に台風などの自然災害の多い沖縄に暮らす人々にとって生活の舞台である海が豊かな幸をもたらしてくれて、災いのないようにお祭りをします。
ニライカナイはまた死者の国でもあり、海の向こうからご先祖様がやってきますし、今生きている人達が死後に向かう世界でもあるのです。
私達の魂は広くて大きくて明るく温かい世界を必然的に求め、そういう場所では開放感に満ち溢れ、心がやすらぎます。
海はまさに「広くて大きくて明るく温かい」要素の全てを持ち、科学が発達した現代においても、未だに未知の部分を持ち、神秘的でかつ私達に身近にある存在なのです。
今沖縄の歌や沖縄出身の歌手・バンドが注目されています。
独特のリズムを持った島唄に心打たれた人も多いことでしょう。
海を感じ、風を感じ、自然を感じながら出てくるリズムは海のはるか向こうの世界まで流れていくのです。
海は世界につながっています、
どこの海も世界につながり、死者の楽園へと続いているのです。
海での散骨は、はるか彼方の楽園への旅立ちだと思うと、ロマン溢れるものになります。
西方の極楽浄土も、はるか彼方の海の向こうに広がっているようです。
果てしなく大きな海がそういう信仰心を育ててくれたのだと思います。
まだまだあります散骨に関するお役立ち情報