難所のお墓

人は高い所に行きたがる生き物であり、山登りというものは苦労して登りやっとたどり着いた山頂から見た景色が最高のご褒美です。

高い所から見た景色は実に気持ちが良いもので、絶景が望める別荘に住んでみたいという気持ちは多くの人が共通して持つのではないかと思います。

死後の安住の場所であるお墓も、何処にでもある団地のようなお墓では無くて、絶景が望める高台の一番高い所が気に入ったと言う方が世の中には少数ながら必ず居るもので、そういった方はお墓を買うというよりは、景色を買うことに満足しているのかもしれません。

終の棲家として住むのなら、やはり景色の良い所が良かろうという単純な発想ですが、死後の世界を楽しく過ごそうと言う考えは前向きで良いと思います。

寺院の墓地によくある事ですが、全部山の斜面になっていて、登るのに苦労するような一番上の土地を「最高に見晴らしの良い一等地」という事ですすめられて買った人が居られます。

また岩が突き出た部分の不便な場所を「仙人の修行する場所」という事ですすめられて買った人は石の階段や手すり、柵まで自分の負担で作ったそうです。

いずれの墓地も作る時には相当にお金をかけて作り、確かに素晴らしい環境で、一国一城の主という感じのお墓で大満足なのですが、後継者の人が居なくなるということで墓じまいの見積りを頼んだら、膨大な費用がかかることが分かり、どうしたら良いのかと悩んでいるのです。

団地のように綺麗に並んだ普通のお墓であっても墓じまいするには、まとまった金額が必要ですが、あまりにも変わり種のお墓の撤去は、場合によっては石材店に出来ないと断られたり、高額な見積が出たりするのです。

お墓を難所に作りますと、高齢になった時に登れなくなりますし、万一の墓じまいの時には膨大な費用が掛かります。

景色が良いからなどの理由で簡単に決めてはいけません。