目次
土に還る納骨法とは
昭和の初期頃までは土葬がまだ行われていて、土に還ることが出来る埋葬法でしたが、現代では火葬後の焼骨を骨壺に入れてお墓の納骨室に安置しますので自然に還ることはありません。
地球上の生命の一員として土に還る方法について説明致します。
現代のお墓の問題点
現代のお墓は絶対に土に還らない仕組みになっています。コンクリートで固められた納骨室(カロート)の中に遺骨の入った陶器の骨壺を納めるのですが、このような方法では100年経過しても中の遺骨の形はそのまま残っています。
しかし土葬で埋葬された遺体は長い年月をかけて、肉体はもちろんのこと、骨まで土に還っていることが多く、骨も本来は土に還るべき存在であることが分かります。
いつまでも残すという考え方が間違い
大切な人の遺骨だから、いつまでも永遠に綺麗な骨壺に納めて丈夫で綺麗なお墓に納めたいと思っていた人たちが今、続々と墓じまいをしています。
それは何故かと言いますと、お墓やお遺骨がいくら長く残り続けても、自分達もしくは自分達の後継者が居なくなってしまっているのです。
後継者の居ないお墓は確実に無縁になってしまいます。
いつまでも残すという淡い幻想を捨て去らなければいけないのです。
石材店や霊園のパンフレットに刷り込まれた桃源郷のような理想の環境が永遠に続くのではなくて、はかない夢になってしまっていることに気が付かなければいけません。
50年で無くなるのが理想
法事は良く出来たもので、亡き人の供養は50回忌で終わりますが、亡き人に対して50回忌までは個人単位で供養を続け、50回忌が済めば個性が無くなって、ご先祖様と言う大きな枠の中に入るという考え方です。
現代では33回忌で終わることが多いですが、この50年と言う月日がとても大切な単位であり、50年を過ぎればその人を覚えている人もいなくなり、埋葬しても50年過ぎれば土に還っているのです。
亡き人に対して、覚えているということは大切なことですが、ある程度の期間が過ぎますと、忘れるということもまた大切なことなのです。
そういう意味ではお墓の中に納骨しても、50年で無くなってしまうことが理想であり、現代の納骨の方法では50年で無くなるということは絶対に実現いたしません。
お墓は本来埋葬する場所である
お墓はそもそも国家公認の遺骨を埋葬する場所であるのに、現代の埋葬の方法は、そのほとんどが骨壺に入れたお遺骨をコンクリートの部屋の中に安置することを埋葬と言うものですから、このような状態では遺骨は永遠に土に還ることはありません。
永遠に土に還ることのない遺骨を安置し続けるために永遠に年間管理料を払い続けることの矛盾にもうそろそろ私達は気が付かないといけません。
遺骨はお墓の中で土に還そう
遺骨はお墓の中で土に還ってもらいましょう、土に還るためにお墓があるのですから、お墓は遺骨の保管庫ではありません、土に還る場所なのです。
お墓は国家公認の遺骨の埋葬場所なのですし、埋葬行為が認められている場所なのですから、骨壺を保管しているようなことは止めて、正々堂々と埋葬しましょう。
お墓の底がコンクリートで出来ているなんて、馬鹿げています、底がコンクリートでは永遠に土に還りません、
底は土であるべきです、底がコンクリートなら壊して土にしてもらいましょう。そこが土ならば埋葬する時にどれだけ掘っても構いませんし、少なくともお墓の中が骨壺で一杯になったなんていうことは絶対にあり得ません。
土葬では100年経過してもまだお遺骨が残っていることがありますが、自然の中で散骨すれば10年で土に還ります、それは粉骨してあるからなのです。粉骨すれば土に還るスピードが格段に速まります。
上の写真は山に散骨して3年後の写真です、散骨当初は真っ白い粉が撒いてある感じがはっきりしていましたが、3年も経てば随分と分解されている様子が分かります。
自然の中では風雨の影響、そして落ち葉や枯れ枝などが積もる度に、昆虫や微生物の分解が進み、土に還っていることが一目瞭然なのです。
遺骨は粉骨して布袋に
遺骨を納骨する時には粉骨して布袋に納めれば、骨壺の時よりも随分と小さくなります。
布袋に入れたお遺骨(遺灰)は表面に名前と没年月日を書いてそのままお墓のカロートの土の上に納骨します。仏教的に言いますと33年の法事が来るまではそのまま安置して、33年の法事が済んだら布袋から出してお墓の中に撒くか、カロートの中に穴を掘って埋葬すれば、10年も経てば必ず土に還ります。
粉骨したお遺骨(遺灰)は、土の上に撒くよりは、土の中に埋める方がはるかに早く土に還ります。
NPO法人やすらか庵では手作業で遺骨の不純物を取り除いた環境にやさしい粉骨を行い、手作りの布袋に入れてお渡しするサービスを行っています。
粉骨後の布袋は無料です…NPO法人やすらか庵の手作業粉骨
布袋にいれたお遺骨は土に埋めればいつかは必ず土に還ります。これが本来のお墓のあるべき姿なのです。