市営や都営などの公営の霊園には「合葬墓(がっそうぼ)」と呼ばれる
合同供養の施設を持っている所があります。
上の写真は都立多磨霊園の合葬墓です。
霊園内にお墓をもっているが、跡取りがいなくなったなどの理由で
お墓を管理することが出来なくなってしまう場合に、
墓地の使用人からの申し立てで、お墓の中の遺骨を合同葬に移すことです。
公営の霊園は基本的に後継者がいないと契約できませんが、
万一跡取りがいなくなることもあるので、
このような場合には福祉、或いは市民サービスという意味合いで
ほとんどの場合無料で合葬墓に納骨できます。
一年に1~2回の申し込みの受付がありますので、
必ず事前に申し込みしておく必要があり、
申し込みの手続きが完了したら、案内が来ます。
墓誌に名前を刻んでもらう場合には、1体数千円の費用が別途かかりますが、
手続きや納骨は基本的に無料です。
但しお墓を片付ける「墓じまい」の費用は使用人の負担です。
合葬墓は大抵、地下式になっていて、
そこには職員以外の人は入ることができませんが、
墓前にはお参り所があっていつでも自由にお参りでき、
お花や線香を手向けることが出来ます。
また、年に一度程度の合同慰霊祭が行われ、多くの人がお参りします。
最も注意すべき点は、一旦納骨すると、
二度と出してもらうことができないことです。
やはり、どこかのお墓に移したいと申し出ても、受け付けられません。
納骨時には、その旨書かれた誓約書に署名、捺印が必要です。
それと、個別ではなくて、合同だということです。
実際は、1年程度個別に安置してからその後骨壷から出して
他の方と一緒に埋葬する仕組みになっているようです。
今まであったお墓を撤去してご先祖様を合同墓に移すのは、
とても申し訳ないように思いますが、まだ、
手を合わせに行こうと思えば行ける場所があり、
そこに確実にご先祖様が眠っておられるのです。
一番良くないことは、お墓をそのままにして無縁墓にしてしまうことなのです。
跡取りがいない場合には、合葬墓は、是非とも利用したい施設です。