水子地蔵とは

水子地蔵のの写真

水子地蔵とは母親の胎内で死産或いは生まれて間もなく亡くなった子供を死後の世界の入り口で地蔵菩薩が救ってくれると言う地蔵信仰にあやかって水子の供養の為に墓地内に建立する地蔵菩薩のこと。

水子と地蔵の関係

水子と三途の川

水子の心は全く穢れの無い状態で、この世での罪は無いのですが、ただ一つ「親を悲しませた」罪のために三途の川を渡ることが出来ず、川原で罪滅ぼしのために石で五輪の塔を作り続けると言われています。

この五輪の塔は地獄から出てきた鬼が破壊してしまうので、せっかく作った五輪の塔を悉く壊されてしまい、それでも子供は泣きながら五輪の塔を作り続けるそうです。

悲しい話ですよね、しかし、ここでお地蔵様がかわいそうな子供達を助けてくれるので、お地蔵様に助けて欲しいと願って、子供を抱っこしたお地蔵様をお祀りするのです。

このような言い伝えが残るために、水子はしっかり供養しないとあの世に行けないからと、水子供養のお地蔵様をお祀りするお寺がたくさんあり、お墓に水子地蔵を建立する習慣があるのです。

お墓の中の水子地蔵

女性の説明イラスト

お墓の区画の中に水子地蔵があれば、この世での命を全うできなかった水子さんを供養するために建立されたのであり、水子さんの兄弟にあたる人が居るのなら水子にとって自分が生きることが出来なかった分守ってくれると言われているのです。

水子地蔵は過去の水子の全てを供養すると言う目的もあり、時代をさかのぼって医療や栄養状態が充分でなかった時代にはどの家も子だくさんではありましたが、水子の数も多かったので、そういった水子を含めて全ての水子を供養することが家門の繁栄につながると考えられたのです。

水子地蔵の墓じまい

水子地蔵

水子地蔵はお墓の区画の中に単体で祀られていることは滅多にありませんし、カロートを持つ先祖代々のお墓の横に祀ることが通例であり、仮に水子の遺骨があったにしても水子地蔵の下に納骨することは無く、先祖代々のお墓のカロートに納骨しますので、水子地蔵の役割はお墓としてではなく、礼拝の対象として建立されているのです。

墓じまいの時に水子地蔵があるのなら、お花や線香を手向けてお墓の閉眼供養の時に水子地蔵も一緒に供養してもらいましょう。