冬の海の散骨

冬の散骨

冬の海のイメージは北風が吹いてとても寒いと思われがちですが、東京湾では冬でも意外と暖かい日が多くて海上に出ても船内に居れば快適です。

散骨に適した季節とは

見送る気持ち

海の散骨をするのに、春は暖かくて台風の心配もないけれど春一番が吹き荒れるので要注意、夏は開放的で海水も温かく海を最も身近に感じられるけれど熱中症に要注意、秋は夏ほど暑くは無くて風が心地よいけれど台風には要注意、冬は外が寒いけれど船内は暖かく、北風に要注意の季節です。

春夏秋冬の四季の中でどの季節が最も海の散骨に適しているかに対する答えとしては、季節にこだわる必要はありませんが、むしろ皆さんが散骨の予定を組むのに目安となるのは四十九日、一周忌、三回忌などの死後の節目かもしくは故人の誕生日、記念日などで決めることが多いようです。

心地良い季節が良いと思って散骨の予約をしても実際の散骨当日は海が荒れていて日程を変更したり、家族の方が新型コロナに罹患して延期して欲しいなどのことが実際にありますので、要は散骨当日が波風が無くて心地良い日であれば良いのですが、これだけは天が決めることで私達は運を天に任せるしかありません。

やすらか丸の船内

やすらか丸-船内

やすらか丸は千葉県市川市に停泊していて散骨の時には東京湾に出航いたしますが、最近では極端に寒い日がありませんし、船内に入りますとガラスを通して太陽の光が差し込みますと上着要らずの温かさです。

海の上では日差しさえあれば意外と暖かいもので、デッキで風に当たっていても心地良く感じられます。

少々の雨が降っても船内に居れば濡れるような事はありません。

散骨の時には亡き人をお連れしているのですし、私が僧侶であることもあり、お葬式の時の引導作法といいまして、目的地までご案内させて頂くという大切な役目を背負っていますので、どうか迷わずにたどり着きますように、やすらかな気持ちでありますようにと心の中で祈りながらの操船なのです。

船を操船する船頭という役目そのものが亡き人を導く引導ではないかとも思います。

亡き人だけでは無くてご家族の方もご一緒する訳ですから、大切な役目です。

温かい心で

散骨-亡き人を大切に

海の散骨では気象条件が大切であり、天気図と波風の予報を見ながら最終的な出航の可否の判断を前日に下しますが、必ずしも良いお天気にばかり恵まれることはありませんので、それでも故人様との最後のお別れとなる日ですから、故人に対する有難うの心を持って臨めば、結果として心温まる散骨になるはずで御座います。