無縁仏とは
無縁仏とは、亡くなった人を弔う親族・縁者が無くなってしまったことで、お墓の継承者がいないので、後に入る人も無く、またお墓参りをする人もいないお墓のことです。
無縁仏の理由
地方から都会に移り住んだ場合、家や土地は売ることがあってもお墓は簡単に整理して処分するということが出来ず、そのままにしていることがほとんどで、都会の生活が長くなるにつれ、だんだんと足が遠のいて、草木に覆われたりして荒れ果てたお墓が数多く見られます。
また都会で生活している人でも子供が無かったり、跡継ぎが離れて住んでいたりなどの理由で1代限りのお墓となり、無縁仏になったお墓が東京都内の主要霊園だけでも1割を超えると言われています。
無縁仏は、お参りする人がいなくなったお墓がそのまま放置されて荒れ果てている場合と、霊園などで無縁仏になったお墓の棹石だけを集めて無縁仏のコーナーを作って管理している場合があります。
無縁仏になったら
地方でよく見かける草木に覆われて荒れ果てたお墓は、横を通るたびに気の毒な思いをします。
また特に立派なお墓であった場合は、人間の世界の栄枯盛衰を感じます。整備された都会の霊園では草木が覆い茂るようなことはありませんが、それでもお墓参りをする人が絶えてしまったお墓はすぐに分かります。子孫繁栄を願って作られたお墓も、子孫がいなくなってしまっては、願いが叶わなかったことで、いっそう寂しさを感じます。
平成11年3月に改正された「墓地、埋葬等に関する法律」では、墓地の使用者が死亡、あるいは管理料未払いのまま3年間放置した場合、「無縁墳墓に関する権利を有する者に対し、1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、かつ無縁墳墓等の見易い場所に設置された立札に1年間掲示して公告し、その期間中にその申し出がなかった旨を記載した書面」を当該役所に提出すれば無縁墓地を整理することができるようになりました。
従来は、墓地使用者と死亡者の本籍地、住所地の市町村長に照会し、回答を得ること、また、2種以上の新聞に3回以上公告を出し、申し出がなければ処理することができるというシステムでしたので、その煩わしさを軽減するために簡略化されたのですが、その背景には無縁墓地の増加が深刻化してきた事実があるのです。
このようにして整理された無縁仏は、無縁仏として合祀されたり、供養塔に納められることになります。
無縁仏になることが分かっていたら
自分の代で子孫が途切れ、後継者が居なくて無縁仏になることが分かっていたら、お墓のことをどうするか、真剣に考える必要があります。
自分が生きていて、まだ何とか出来るうちに手を打っておきましょう。
もうちょっと後で、というふうに考えていたら、結果としてどうにも出来なくなった時に、無念の気持ちを残すことになります。
お墓という形にこだわるなら、樹木葬、或いは合葬墓という方法があります。
合葬墓とは、いろんな人と一緒に一つの墓に入ることです。
自分がいなくなっても、誰かが参ってくれるのですから、寂しい思いはしなくてもすむかもしれませんし、合同慰霊祭をしてくれる所もあります。
人と同じ所に入るのが嫌でしたら、散骨が良いと思います。
大自然に還れて自由となり、お墓の心配をする必要がなくなります。
散骨も広い意味で大自然のお墓だと考えれば、素晴らしいお墓です。
最近は自宅や別荘に散骨する人も増えてきました。
自宅での散骨は合法です、何も問題ありません。
最も身近で自然な姿ではないでしょうか。
人は死んだら墓に入るものという固定観念は、今の時代には通用しなくなりつつあります。
意味のないお墓を作ってもお金と資源の無駄遣いになってしまってはいけません。
散骨するには遺骨を粉末にする必要があります。やすらか庵では立会いの手作業による粉骨も行っていますので、どうぞご利用ください。
無縁仏は散骨して構いませんか?
自分のお墓の敷地内での無縁仏は散骨しても構いませんが、共同墓地内での無縁仏は無縁塚に入れるのが通例です。
血縁関係のある親族でなくとも何らかの御縁でお線香を上げに来る人が居るかもしれないからです。
無縁塚に入れられた無縁仏についてはお墓参りに来た人がお線香を上げる程度ですが、共同墓地であればお墓の管理の一環として清掃などの管理をすることになります。
境界線のはっきりしない共同墓地で、すぐ隣接して無縁墓があるからと勝手に遠くの場所に持って行ったり、誰の了解も無く散骨することはいけません。