お墓の中にはカロートと言って納骨室がありますが、大抵のカロートはコンクリートの枡になっていますし、底もコンクリートで固めています。おまけに遺骨は陶器の骨壺に入っていますので、このような状態ですと、永遠に土に還ることがありません。
このような近代的なお墓の構造は、単なるお遺骨の保管庫であり、地球上の生命としての土に還る、自然に還るということが出来ないのです。
お墓は故人の霊の依り代と思えばこれでも構わないのですが、依り代というものは、お参りする人があってこその依り代であり、誰もお参りすることのないお墓に天から降りてきても絶望するだけです。
墓じまいをする度に思う事ですが、自然に還ることが出来ないお墓は、いつかは必ずゴミになってしまうということです。綺麗であればあるほど勿体ないと思うのです。