「永代供養」とは「永代に亘って供養をする」ということで、
遺骨を寺院に納骨して、いつまでも供養してもらうことです。
ここで言う「永代」とは、永遠のことではありません。
一度お金を払っただけで、永遠に供養してくれるなんてことは、
絶対にあり得ないことだからです。
そして「供養」というのは、個別に安置してお祀りし、
その故人のために個別に供養するということで、
旅館で言うならば、個室にお通しするということです。
寺院にしても、お金を貰った時の住職にしてみれば、
その時の運営にプラスになりますが、
次の住職にそのお金が行く訳ではありませんので、その後の住職たちは、
お金を貰わない供養を延々と続けなくてはいけません。
旅館の例えで言うと、個室のお客さんには部屋を空けてもらって、
大広間に移ってもらわないと、次の新しいお客さんが入れないのです。
永代供養の期間
そこで、寺院では永代供養の期間を決めることにしているのですが、
その期間も寺院によって様々で、少し前までは住職3代までなど、
比較的長かったのですが、やがて住職1代、50年、30年…というように
どんどん短くなっているようです。
寺院で永代供養してもらった、などと聞けば、ずっと安心、
永遠に安心と思いがちですが、実はこのように、期限が付いていますので、
その期限はどれ位なのかは、契約する前に確かめておく必要があります。
もう一度はっきり言いますが、この世ではお金で永遠は買えません。
しかし少なくとも、寺院が続く限りはその場所に居続けることが出来るので、
これは大きなメリットです。お墓にしても、
霊園にしても永遠に続くものではないことを考えますと、
寺院というものは、かなりの長きに亘って存在し続ける可能性が高いので、
そういう意味では、安心だと言えます。
永代供養の費用
寺院では永代供養の期限がそれぞれ違うのと同じように、
費用についても決まりがありませんので、
それぞれの寺院によって違うということになります。
永代供養は高いというイメージがありますが、
私が相談を受けた中では7体の遺骨を依頼するのに、
1体200万円と言われたケースがありましたが、
地方では家が1件買える料金ですね。
何故そのような金額になるのかは分かりませんが、
ひとつの目安としては、寺院が都会にあるか地方にあるかによっても相場が違い、
寺院の格式が高ければ高いという傾向はあるようです。
内容にしても、最初から合同で扱う所もあれば、
決まった期間は個別に祀るというやり方もあります。
また、屋内にお祀りするか屋外なのか、などのことが
各寺院によって違いますので、良く確かめる必要があります。
最近では大手スーパーが寺院とのコラボで3万円程度からありますが、
一般的には、寺院では10~30万円程度が平均的な金額だと思います。
永代供養の注意
永代供養に一旦申し込んで遺骨を預けますと、
絶対に遺骨を返してもらえないことだけはどこでも同じです。
気が変わってやっぱりお墓に納骨してあげようとか、
別の寺院に変えたいなどと申し出ても、返してもらえません。
永代供養は遅かれ早かれ、他の方の遺骨と一緒になってしまうからなのです。
もし何かの変更の可能性があるのであれば、
別の方法にするべきです。