お墓の解体中に見つかるリサイクルのお話です、昔は物を大切に、そして最後の最後まで使うということが徹底していました。
これはお墓の花立ですが、取り外して裏を良く見てみると、文字が彫ってありますが、文政2年(1819)の墓石を削り直して作られたものです。もちろん通常の花立で使用する時には、これが墓石であることは全く分からないようになっていました。
文政2年(1819)と言えば今からちょうど2百年前の時代です。2百年前に亡くなった方ははたしてどんな方だったのでしょうか。車も高速道路も無い時代、近場で切り出した石を使って造られたお墓だったのでしょう。
この文字の面が裏になっていて、今までお墓に付けてあったので決して文字は見えなかったのですが、こうやって墓じまいの時に、ふとしたきっかけでこのお墓の歴史が明らかになることがあるのです。
昔からお墓の石は不要になっても他の用途に使うべからずと言われたものですが、こういう使われ方ならば良いのではないかと思います。
今の時代は何でも使い捨ての時代ですが、最後の最後まで使い切るという古の智慧を学びました。