ご先祖様が子孫にために善かれと思って作ったお墓でも、
跡取りが居なくなってしまうなんて、想像すらしなかつたことでしょう。
しかし、世の中諸行無常、永遠に続くものなど一つも無いことを悟らねばなりません。
墓じまいをされる方にとって、誰しも少なからず後ろめたい気持ちがあるものです。
何と言っても「子孫繁栄」や「家門繁盛」の大義名分があるお墓です、
子孫が増えて賑やかになることが、大きな願いである以上、
その気持ちを裏切ったと言いますか、応えられなかったというのが本音でして、
いっそのこと「なったものは仕方ない」「先祖が勝手に作った墓だ」と
開き直ることが出来ればよいのですが、善良な人間にはそれが出来ないのです。
後ろめたい気持ちがある時には、「罪滅ぼし」という良い方法がある訳で、
その罪滅ぼしが、出来ることは自分も手伝うということです。
いくら先祖が勝手に作った墓だからと言っても、
私の代で閉じることになって申し訳ありません、との気持ちを持ちつつ、
片付けることに走り回って努力していたら、
ご先祖様もその努力を認めてくれるはずです。
何が尊いかと言えば、その一生懸命に走り回っている姿が尊いのです。