遺骨について

棺おけ

葬儀の時は棺おけの中に居て、まだお顔を見たり、

手を握ったりすることが出来た故人様も、火葬場に到着して

火葬炉の中に吸い込まれていき、扉が静かに閉まると、

点火のボタンが押されて荼毘に付されます。

もう絶対に戻って来れないというボタンが押されたことで、

多くの人のすすり泣く声が聞こえます。

2時間程度の待ち時間が過ぎて、故人様と対面しに行くと、

変わり果てたお骨の姿になっていることで、不思議と諦めに似た安堵感を

感じられる方が多いものです。

お骨拾い

故人様のお遺骨は体の下の方から骨壷に入れ、最後に喉仏と

頭蓋骨を入れてから桐箱に納めて家に持ち帰ることになります。

自宅に持ち帰った故人様の遺骨は、四十九日の祭壇にお祀りして

お花や写真で飾り、納骨までの間家族と共に過ごすことになります。

骨壷

お遺骨の前でお線香をあげて手を合わせて話しかけても、

今まで一緒にいた方はお遺骨の姿となって何も答えてくれません。

ただ骨壷の中に入って棚の上に安置されているだけです。

静かになった部屋の中でお遺骨を眺めるたびに、

果たしてお遺骨って何だろう、と思うばかりです。

お遺骨はご遺体を火葬した後に残される故人様の体の一部で、

霊や魂はお遺骨の中にはありません。

しかし単なる物ではありません、故人様の祭りごとをする際の

故人様を表す象徴的な礼拝の対象として大切にされるのです。

故人様を思い、手を合わせる対象としての遺骨なのです。

 

合掌

今でも地方では故人様の祭りごとをするのは後継者の務めであり、後継者は

家族に関する冠婚葬祭の行事を取り仕切り、親族や近隣との付き合いをこなす

家父長の役割を担うリーダーとして、故人様の土地や財産などを引き継ぎます。

お遺骨を引き継ぐ者は、故人様の家や土地、遺産を相続する者なので、

例えば火葬場でお遺骨は要らないと言っても、相続などの権利が

付属するので、そのような申し出は認められないのです。

しかし都市部では、親戚付き合いもありませんし、

家の祭りごとなどもありません、跡継ぎの者がいなかったりして

「家」という単位がどんどん消滅していく傾向にあります。

家の崩壊

お遺骨の引き取り手がないことも日常茶飯事で、

お遺骨の存在が軽くなっているようです。

しかし、いくら存在が軽くなっているお遺骨と言えども

お墓に入れたり散骨したりすると、

故人様の存在が遠くなってしまうように感じるものです。

特にお墓の無い人にとっては、四十九日が済んだ後もずっとそのまま

お遺骨を安置し続けることになってしまいます。

このままでいいのだろうか、とは誰もが考えることです。

お遺骨をどうするか、という問題は今まさに真剣に

考えなければならない問題なのです。

 

サブコンテンツ

このページの先頭へ